ニキビが治った後も残る赤みや色素沈着、そして凹凸のあるニキビ跡は、多くの方にとって深刻な肌悩みの一つです。フォトフェイシャルは、このようなニキビ跡に対してどのような効果をもたらすのでしょうか。本記事では、フォトフェイシャルがニキビ跡、特に「炎症後紅斑(赤み)」や「炎症後色素沈着(茶色いシミ)」に有効とされる理由を、その光治療の仕組みから詳しく解説します。
また、フォトフェイシャルの効果を実感するために必要な施術回数や通院頻度、費用相場、さらには施術の流れやダウンタイムについても触れていきます。レーザー治療などの他のニキビ跡治療法との違いも比較しながら、ご自身のニキビ跡の状態やライフスタイルに合った最適な治療法を見つけるための具体的な情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。

フォトフェイシャルはニキビ跡の改善が期待できる!特に赤み・色素沈着に有効

フォトフェイシャルは、ニキビ跡の改善に高い効果が期待できる美容医療の一つです。特に「炎症後紅斑」と呼ばれるニキビが治った後に残る赤みや、「炎症後色素沈着」という茶色っぽいシミのようなニキビ跡に対して有効とされています。これは、フォトフェイシャルで使用する特殊な光(IPL)が、これらのニキビ跡の原因となる肌内部の成分に直接作用するためです。
赤みは毛細血管の拡張や炎症によって生じ、色素沈着はメラニン色素の過剰な生成が原因で起こります。IPLはこの赤みの原因となるヘモグロビンや、色素沈着の原因となるメラニン色素に選択的に吸収され、熱エネルギーに変換することでダメージを与え、肌の自然な排出プロセスを促します。その結果、肌の赤みやシミが徐々に薄くなり、目立たなくなっていくことが期待できます。
ただし、フォトフェイシャルの効果はニキビ跡の種類によって異なります。特に皮膚の組織が破壊されて陥没してしまった「クレーター状のニキビ跡」に対しては、残念ながら限定的です。完全に平らにすることは難しいものの、肌全体のハリを改善することで、浅いクレーターであれば多少の改善が見られることもあります。クレーター状のニキビ跡には、後述するダーマペンやフラクショナルレーザーなど、より特化した治療法が有効となるケースが多いため、ご自身のニキビ跡の種類に合わせた治療選択が重要です。
そもそもフォトフェイシャル(IPL光治療)とは?仕組みを解説
フォトフェイシャルは、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光を肌に照射することで、さまざまな肌トラブルを改善する治療法です。広範囲の波長を持つ光を肌に当てることで、シミやそばかす、赤み、くすみといった症状にアプローチします。メスを使わず、肌への負担が少ない点が特徴です。次のセクションでは、このIPL光治療が肌にどのように作用するのか、その具体的な仕組みを詳しくご説明します。
IPLという特殊な光で肌トラブルの原因にアプローチ
フォトフェイシャルの中心となる技術は、IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる特殊な光です。このIPLは、複数の波長を持つ光の集合体であり、特定のフィルターを使用することで、さまざまな肌トラブルの原因となるターゲットに効率よくアプローチできます。ニキビ跡の「赤み」の原因となる毛細血管内のヘモグロビンや、「色素沈着」の原因となるメラニン色素が、この光エネルギーを吸収します。光を吸収した色素は熱に変換され、これによりダメージを受けて破壊されます。破壊された色素は、肌のターンオーバーとともに自然に体外へ排出されていくため、赤みや色素沈着の改善へとつながります。
IPLの光は、表面的な色素トラブルだけでなく、肌の奥深くにある真皮層にも作用します。真皮層に熱エネルギーが伝わることで、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。これにより、肌全体のハリや弾力がアップし、毛穴の開きや小じわの改善にも効果が期待できます。肌の内側から活性化されることで、肌本来の再生能力が高まり、健康で美しい肌へと導かれるのです。
フォトフェイシャルとレーザー治療の違い
フォトフェイシャルとレーザー治療は、どちらも光を用いた美容医療ですが、その作用機序には明確な違いがあります。まず「波長」について、フォトフェイシャルで使用されるIPLは複数の波長を持つ光を組み合わせているため、フィルターを使い分けることで様々な肌悩みに対応できる汎用性があります。一方、レーザー治療は単一の波長を持つ光をピンポイントで照射するため、特定の症状に対して高い効果を発揮します。
次に「効果」の観点では、フォトフェイシャルはシミ、そばかす、赤ら顔、くすみ、毛穴の開きといった複合的な肌悩みに同時にアプローチできるのが特長です。レーザー治療は、ホクロや濃いシミ、タトゥー除去など、一つの症状を強力に改善したい場合に適しています。例えば、深いシミにはQスイッチレーザー、広範囲の赤みには色素レーザーといったように、症状に応じた機種が選ばれます。
最後に「痛みやダウンタイム」についてですが、フォトフェイシャルはIPLの光がマイルドに作用するため、痛みは「輪ゴムで軽く弾かれる程度」と表現されることが多く、麻酔なしでも耐えられる方がほとんどです。ダウンタイムも比較的短く、施術直後の軽い赤み程度で日常生活に支障をきたしにくいのが利点です。一方でレーザー治療は、光のエネルギーが強力であるため、痛みが強く、数日から数週間のダウンタイムを伴うことが一般的です。かさぶたや色素沈着が生じることもあり、施術後のアフターケアが非常に重要になります。これらの違いを理解することで、ご自身の肌悩みやライフスタイルに合った治療法を選ぶための判断材料となるでしょう。
【ニキビ跡の種類別】フォトフェイシャルの効果

一言にニキビ跡といっても、その状態はさまざまです。赤みが残っているもの、茶色いシミになっているもの、そして肌が凹んでしまっているクレーター状のものなど、ニキビ跡には複数の種類があります。フォトフェイシャルは、これらのニキビ跡全てに同じように効果を発揮するわけではありません。このセクションでは、それぞれのニキビ跡に対してフォトフェイシャルがどのように作用し、どのような効果が期待できるのかを詳しく見ていきましょう。
効果が高いのは「赤み」と「色素沈着」のニキビ跡
フォトフェイシャルは、ニキビ跡の中でも特に「赤み(炎症後紅斑)」と「色素沈着(炎症後色素沈着)」に対して高い効果が期待できる治療法です。これらのニキビ跡は、肌の表面近くに原因物質が存在するため、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光が直接アプローチしやすいからです。
ニキビの炎症後に肌に残る赤みは、炎症によって拡張したり、新しく形成されたりした毛細血管のヘモグロビンが原因です。フォトフェイシャルのIPL光は、このヘモグロビンに吸収されやすい波長を含んでいます。光エネルギーがヘモグロビンに吸収されると熱に変換され、異常な血管にダメージを与えて収縮させます。これにより、赤みが徐々に薄くなり、目立たなくなっていくという仕組みです。
一方、茶色いシミのように見える色素沈着は、ニキビの炎症によって過剰に生成されたメラニン色素が原因です。IPL光は、このメラニン色素にも効果的に吸収されます。吸収された光エネルギーは熱に変わり、メラニン色素を細かく分解します。分解されたメラニンは、肌のターンオーバー(新陳代謝)によって徐々に肌の表面へと押し上げられ、最終的にかさぶた(マイクロクラスト)となって自然に剥がれ落ちることで、色素沈着が薄れていきます。このプロセスにより、均一で明るい肌へと導かれるのです。
クレーター(凹み)状のニキビ跡への効果は限定的
残念ながら、クレーター状のニキビ跡(萎縮性瘢痕)に対して、フォトフェイシャルがもたらす効果は限定的です。クレーターは、炎症が真皮層まで深く達し、皮膚組織が破壊されてしまった結果、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリを保つ成分が失われ、肌表面が凹んでしまった状態を指します。いわば、肌にできた「傷跡」のようなものです。
フォトフェイシャルのIPL光は、真皮層の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの生成を促進する効果はあります。そのため、施術を継続することで肌全体のハリが向上し、浅い凹みであれば多少の改善が見られる可能性はあります。しかし、肌の組織そのものが欠損している深いクレーターを完全に平らにするほどの効果は期待できません。クレーター状のニキビ跡の治療には、ダーマペンやフラクショナルレーザーなど、より強力に真皮層へアプローチし、肌の再生を促す治療法が効果的だとされています。
ニキビ跡だけじゃない!シミやくすみ、毛穴にもアプローチできる美肌効果
フォトフェイシャルの魅力は、ニキビ跡の改善だけに留まりません。IPL光は、肌のさまざまな悩みに多角的にアプローチし、総合的な美肌効果をもたらします。ニキビ跡の色素沈着と同様に、IPLはメラニン色素に反応するため、加齢や紫外線による一般的な「シミ」や「そばかす」にも効果を発揮します。光がメラニンを分解し、肌のターンオーバーを促進することで、これらも徐々に薄くなり、透明感のある肌へと導きます。
また、IPLの穏やかな熱作用は、肌全体の「くすみ」を改善する効果も期待できます。血行が促進され、肌の代謝が活性化されることで、古い角質が排出されやすくなり、肌のトーンが明るくなります。さらに、真皮層への熱刺激は、コラーゲンの生成を促します。これにより、肌内部からハリや弾力がアップし、開いて目立っていた「毛穴の開き」が引き締まったり、「小じわ」が改善されたりといった効果も期待できます。このように、フォトフェイシャルはニキビ跡に悩む方だけでなく、肌全体の若返りやコンディションの改善を目指したい方にとっても、非常に魅力的な治療法といえるでしょう。
フォトフェイシャルの効果を実感するための回数・頻度・費用
フォトフェイシャルによるニキビ跡治療を検討されている方にとって、どれくらいの回数や期間で効果を実感できるのか、そして費用はどのくらいかかるのかは非常に気になる点でしょう。フォトフェイシャルは1回の施術で全ての悩みが解決するわけではなく、継続して治療を受けることで徐々に肌が改善されていきます。このセクションでは、フォトフェイシャルの効果を最大限に引き出すために必要な施術回数や適切な通院頻度、そして費用相場について具体的に解説していきます。
効果を実感するまでの回数と通院頻度の目安
フォトフェイシャルでニキビ跡の改善効果を実感するには、一般的に複数回の施術が必要です。多くの場合、効果を感じ始めるまでに3回以上の施術が推奨されており、ご自身の目指す肌状態に満足するためには5回から10回程度の施術が目安とされています。もちろん、肌質やニキビ跡の種類、肌の状態によって個人差があるため、一概に「何回で完了」とは言い切れませんが、継続的な治療計画を立てることが大切です。
施術の頻度については、肌のターンオーバーの周期に合わせて3〜4週間に1回のペースで通院するのが一般的です。これは、光照射による肌への刺激と、肌が回復し新しい細胞が生成されるサイクルを考慮した間隔となります。無理なく治療を継続できるペースで、医師と相談しながら計画的に進めることが、より良い結果に繋がるでしょう。
フォトフェイシャルの費用相場
フォトフェイシャルの費用は、クリニックや使用する機器、施術範囲によって異なりますが、全顔1回あたりの相場は2万円〜3万円程度となることが多いです。自由診療となるため、クリニックごとに料金設定が異なることに加え、初診料やカウンセリング料が別途必要になる場合もあります。
多くのクリニックでは、複数回コースを用意しており、1回あたりの料金が割安になるプランが提供されていることもあります。長期的な治療を視野に入れている場合は、こうしたコースの利用も検討すると良いでしょう。カウンセリング時に総額費用や支払い方法についても確認し、納得した上で治療を開始することが重要です。
使用するマシン(M22など)によっても効果や特徴が異なる
フォトフェイシャルと一言で言っても、実は様々な医療機器が存在し、それぞれ効果や特徴に違いがあります。代表的なものとしては、ルミナス社の「M22(ステラM22)」やサイトン社の「BBL(ブロードバンドライト)」などが挙げられます。
例えば、M22は複数のフィルターを搭載しており、患者様の肌悩みや肌質に合わせて波長を細かく調整できる点が特徴です。これにより、ニキビ跡の赤みや色素沈着、シミ、そばかす、毛穴の開きなど、多様な肌トラブルにきめ細かく対応することが可能です。一方、BBLも高い評価を得ている機器の一つで、特に肌の若返り効果に優れているとされています。
どの機器を導入しているかはクリニック選びの重要なポイントの一つとなるため、カウンセリングの際にどのような機器を使用しているか、その機器でどのような効果が期待できるのかを医師に確認してみましょう。ご自身の肌悩みに合った機器を使用しているクリニックを選ぶことで、より満足のいく結果に繋がりやすくなります。
フォトフェイシャルを受ける前に|施術の流れとダウンタイム
フォトフェイシャルはニキビ跡の赤みや色素沈着に効果が期待できる治療法ですが、実際に施術を受けるとなると、どのような流れで進むのか、痛みやダウンタイムはどの程度なのかといった不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、カウンセリングから施術後のケアまで、一連のプロセスを具体的に解説します。事前に治療の流れや注意点を知ることで、安心して施術に臨めるよう、参考にしてください。
カウンセリングから施術後までの流れ
フォトフェイシャルの施術は、一般的に以下の流れで進められます。
まず、ニキビ跡の状態や肌質を詳しく診察し、フォトフェイシャルが適応であるかを判断します。施術の目的や期待できる効果、リスク、注意点などについて詳細な説明を受け、疑問や不安を解消します。
施術部位のメイクや皮脂、汚れをきれいに洗い流します。治療効果を高め、肌トラブルを防ぐために重要なステップです。
IPLの光エネルギーから肌を保護し、火傷のリスクを軽減するために、冷却ジェルを施術部位に塗布します。これにより、肌への刺激を和らげ、快適に施術を受けられるようにします。
専用のハンドピースを肌に当て、IPLを照射します。症状や肌質に合わせて、光の波長や出力が調整されます。顔全体で15~20分程度が目安です。
照射後、肌のほてりや赤みを抑えるために、冷却パックなどで肌を鎮静させます。
施術後はすぐに普段通りのスキンケアやメイクが可能です。ただし、肌はデリケートになっているため、刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。
施術中の痛みとダウンタイム中の症状
フォトフェイシャルは、他のレーザー治療と比較して痛みが少ないことが特徴です。施術中の痛みは「輪ゴムで軽く弾かれるような感覚」と表現されることが多く、麻酔なしでも我慢できる程度であることがほとんどです。痛みの感じ方には個人差がありますが、過度な心配はいりません。もし痛みが強く感じる場合は、遠慮なく施術者に伝えましょう。
ダウンタイムとは、施術を受けてから肌が回復するまでの期間を指します。フォトフェイシャルのダウンタイムは非常に短く、施術直後に一時的な赤みやほてり感が数時間程度続くことが一般的です。メイクで十分にカバーできる範囲であり、日常生活に大きな支障が出ることはほとんどありません。シミや色素沈着のニキビ跡に光が強く反応した場合、一時的に色が濃くなったように見えることがあります。これは「マイクロクラスト」と呼ばれる微細なかさぶたのようなもので、メラニンが肌表面に浮き上がってきた正常な反応です。マイクロクラストは通常1週間程度で自然に剥がれ落ち、その下に新しいきれいな肌が現れます。無理に剥がしたり擦ったりせず、自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。
施術後の注意点とアフターケア【紫外線対策と保湿が重要】
フォトフェイシャルの効果を最大限に引き出し、肌トラブルを避けるためには、施術後の適切なアフターケアが非常に重要です。特に意識していただきたいのは「紫外線対策」と「保湿」の2点です。
施術後の肌は、光エネルギーの作用により一時的に非常にデリケートな状態になります。そのため、紫外線の影響を受けやすくなっており、油断すると色素沈着が悪化したり、新たなシミができたりするリスクが高まります。日中の外出時はもちろん、屋内にいる際も、SPF30以上のUVA・UVBカット効果のある日焼け止めを毎日塗布し、帽子や日傘を活用して徹底した紫外線対策を心がけましょう。また、肌は乾燥しやすくなっているため、化粧水や乳液、クリームなどで普段以上に丁寧な保湿ケアを行うことが重要です。肌が十分に潤うことで、ターンオーバーが促進され、マイクロクラストの剥がれ落ちもスムーズになります。
その他、施術当日は、血行が良くなるような激しい運動、飲酒、サウナ、長時間の入浴などは避けるようにしてください。肌に刺激を与えるような摩擦や強いマッサージも控え、優しく肌を扱ってください。万が一、施術後に異常を感じた場合は、速やかにクリニックに相談しましょう。

後悔しないために知っておきたいフォトフェイシャルの注意点

フォトフェイシャルはニキビ跡の赤みや色素沈着に効果が期待できる治療法ですが、すべての方に最適なわけではありません。施術後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、事前に知っておくべき注意点やリスクについてしっかり理解しておくことが大切です。ここでは、フォトフェイシャルを受けられないケースや、効果を感じにくい理由、そして安心して治療を受けられるクリニック選びのポイントを解説します。
フォトフェイシャルを受けられないケース
安全にフォトフェイシャルを受けていただくためには、特定の健康状態や状況にある方は施術を避ける必要があります。例えば、妊娠中や授乳中の方、光線過敏症(光に過敏に反応する体質)の方、日焼け直後で肌が炎症を起こしている方、ケロイド体質の方は施術を受けられないことが多いです。
また、てんかんなどのけいれん性の病気がある方、心臓病の方、ペースメーカーを使用している方、皮膚疾患をお持ちの方、あるいは特定の薬剤(光感受性を高める薬など)を服用中の方も施術の対象外となる場合があります。これらの条件に当てはまる場合は、施術が原因で予期せぬトラブルが発生する可能性があるため、安全を最優先に治療を控えるべきです。カウンセリングの際には、必ず医師に自身の健康状態や病歴、服用中の薬など、すべての情報を正確に伝えるようにしてください。
「効果なし」と感じる理由|回数不足や症状とのミスマッチ
フォトフェイシャルを受けたにもかかわらず「効果がなかった」と感じてしまう主な原因はいくつか考えられます。一つは、推奨される施術回数をこなしていないケースです。フォトフェイシャルは1回の施術で劇的な変化が起こる治療ではなく、複数回継続することで徐々に効果を実感できるようになります。一般的に5回以上の施術で満足のいく結果が得られるとされているため、数回で諦めてしまうと効果を感じにくいでしょう。
次に、自身のニキビ跡のタイプと治療法のミスマッチが挙げられます。特にクレーター状のニキビ跡の場合、フォトフェイシャルでは真皮層の破壊された組織を完全に修復することは難しく、効果は限定的です。また、1回の施術で劇的な変化を期待しすぎていた場合も、「効果なし」と感じてしまう原因になります。フォトフェイシャルは肌全体のトーンアップや肌質改善、軽度な赤みや色素沈着の改善に優れていますが、深い悩みには他の治療法との併用や、より専門的な治療が必要となることがあります。
信頼できる美容皮膚科・クリニックを選ぶ3つのポイント
フォトフェイシャルで満足のいく結果を得るためには、クリニック選びが非常に重要です。信頼できるクリニックを選ぶ際のポイントを3つご紹介します。
一つ目は、「皮膚科専門医や経験豊富な医師が在籍しているか」です。肌の状態は人それぞれ異なるため、適切な診断と治療プランを提案してくれる医師がいるクリニックを選びましょう。医師の実績や専門性を事前に確認することが大切です。
二つ目は、「カウンセリングが丁寧で、メリットだけでなくリスクやデメリットもきちんと説明してくれるか」です。患者さんの不安や疑問に寄り添い、治療のメリットだけでなく、起こりうるリスクやダウンタイムについても正直に説明してくれるクリニックは信頼できます。無理な勧誘がなく、納得できるまでじっくり話を聞いてくれる姿勢も重要です。
そして三つ目は、「料金体系が明確で、無理な勧誘がないか」です。治療にかかる費用が明確に提示され、追加料金が発生する可能性についても説明があるかを確認しましょう。施術内容や回数によって費用は変動するため、総額でいくらくらいかかるのか、支払い方法なども含めて事前に確認しておくと安心です。これらのポイントを参考に、安心して任せられるクリニックを見つけてください。
フォトフェイシャル以外のニキビ跡治療法との比較
ニキビ跡と一口に言っても、その種類はさまざまです。フォトフェイシャルは特に赤みや色素沈着のニキビ跡に効果的ですが、すべてのお悩みに万能というわけではありません。特に真皮層の組織が失われてできるクレーター状のニキビ跡には、フォトフェイシャルだけでは十分な効果が得られないことがあります。
ここでは、フォトフェイシャルでは改善が難しいニキビ跡のタイプに対し、どのような治療選択肢があるのかをご紹介します。ご自身のニキビ跡の種類や肌の状態に合わせて、最適な治療法を検討するための一助としてください。
クレーター状のニキビ跡にはダーマペンやフラクショナルレーザー
クレーター状のニキビ跡は、炎症が真皮層にまで及び、肌の組織が破壊されて凹んでしまった状態を指します。フォトフェイシャルはコラーゲン生成を促す効果も期待できますが、深いクレーターを完全に平坦にするには、より強力に肌の再生を促す治療が必要です。そうしたクレーター状のニキビ跡に特に有効なのが「ダーマペン」や「フラクショナルレーザー」といった治療法です。
ダーマペンは、極細の針を使って肌の表面にごく微細な穴を一時的に開け、肌が本来持つ自然治癒力を高める治療です。この作用によって、肌内部ではコラーゲンやエラスチンの生成が活発になり、組織の再生が促進されます。結果として、凹んだクレーター状のニキビ跡が徐々に持ち上がり、なめらかな肌へと改善が期待できます。特に「ダーマペン4」は、針の深さや速度を細かく調整できるため、肌の状態に合わせた精密な治療が可能です。
一方、フラクショナルレーザー(CO2フラクショナルレーザーなど)は、レーザーを肌に点状に照射することで、古い皮膚組織を蒸散させ、新しい皮膚への入れ替えを促進する治療です。この点状の照射により、周囲の正常な皮膚にはダメージを与えずに、狙った部分の組織再生を強力に促します。真皮の深い部分にまで作用するため、深くなったクレーター状のニキビ跡にも高い改善効果が期待できます。ダーマペンと比較すると、より強い痛みやダウンタイムを伴うことがありますが、その分、劇的な効果が期待できる治療と言えるでしょう。
自分に合う治療法は医師とのカウンセリングで判断しよう
ニキビ跡の治療法は、フォトフェイシャル、レーザー治療、ダーマペンなど多岐にわたります。それぞれのアプローチにはメリット・デメリットがあり、効果を発揮するニキビ跡の種類も異なります。ご自身のニキビ跡が赤み、色素沈着、クレーターのどのタイプなのか、またそれらが複合しているのかによって、最適な治療法は変わってきます。
また、肌質、過去の治療歴、ダウンタイムの許容範囲、そしてご予算なども治療法を選ぶ上で重要な要素となります。インターネット上の情報だけでは、ご自身の肌状態や悩みに本当に合った治療法を見極めることは非常に困難です。そのため、最終的にどの治療法がご自身に最適なのかは、専門知識を持つ医師とのカウンセリングを通じて判断することが不可欠です。
美容皮膚科の専門医は、肌の状態を正確に診断し、それぞれの治療法の特徴やリスク、期待できる効果、さらには複数の治療を組み合わせた複合的なプランまで、丁寧に説明してくれます。この記事で得た知識を予備情報として活用し、まずは信頼できるクリニックで医師に相談することから始めましょう。医師との綿密な話し合いによって、納得のいく治療計画を立て、理想の肌へと近づくための一歩を踏み出してください。
フォトフェイシャルのニキビ跡治療に関するよくある質問
フォトフェイシャルによるニキビ跡治療を検討されている方からよく寄せられる質問にお答えします。治療への疑問や不安を解消し、安心して施術を受けられるように、具体的な情報を提供いたします。
フォトフェイシャルは、どの種類のニキビ跡(赤み・色素沈着・クレーター)に効果がありますか?
フォトフェイシャルは、特に「赤み(炎症後紅斑)」と「色素沈着(炎症後色素沈着)」タイプのニキビ跡に高い効果が期待できます。IPLの光が、赤みの原因となる毛細血管のヘモグロビンや、色素沈着の原因となるメラニン色素に選択的に反応し、これらを効率的に分解・排出へと導きます。
一方、皮膚の真皮層が破壊され組織が欠損してしまっている「クレーター」状の深い凹みに対しては、フォトフェイシャル単体での効果は限定的です。コラーゲン生成促進効果により多少の肌のハリ感や浅い凹みの改善が見られる可能性はありますが、根本的な改善にはダーマペンやフラクショナルレーザーなどの治療法がより適しています。
ニキビ跡の治療でフォトフェイシャルを受ける場合、何回くらいで効果を実感できますか? 通う頻度も知りたいです。
フォトフェイシャルの効果を実感するまでの回数や期間には個人差がありますが、一般的には3回目以降から変化を感じ始める方が多いです。満足のいく結果を得るためには、5回以上の施術が推奨されています。中には10回程度の継続治療でより良い効果を実感される方もいらっしゃいます。
通院頻度については、肌のターンオーバーの周期に合わせて「3〜4週間に1回」のペースで施術を受けるのが一般的です。この間隔で定期的に治療を続けることで、より高い効果が期待できます。
フォトフェイシャルの施術は痛いですか? また、ダウンタイム(赤み、かさぶた等)はどのくらい続きますか?
フォトフェイシャルの施術中の痛みは、一般的に「輪ゴムで軽く弾かれるような感覚」と表現されることが多いです。強い痛みを感じることは少なく、麻酔は基本的に不要な程度です。痛みに敏感な方には、クーリングや出力調整などで対応できますのでご安心ください。
ダウンタイムはほとんどないと言われています。施術直後に軽い赤みやほてり感が数時間程度続くことがありますが、ほとんどの場合、数時間から半日で落ち着きます。シミや色素沈着に光が強く反応した場合、「マイクロクラスト」と呼ばれる黒っぽい小さなかさぶたのようなものが現れることがあります。これはメラニンが肌表面に浮き上がってきた正常な反応で、1週間程度で自然に剥がれ落ち、その下から新しい肌が現れます。
フォトフェイシャルを受けると、ニキビ跡やシミが一時的に濃くなったり、悪化したりする可能性はありますか?
フォトフェイシャルによる治療後、シミや色素沈着が一時的に濃くなったように見えることがありますが、これは「マイクロクラスト」と呼ばれる正常な反応です。IPLの光がメラニン色素に反応し、肌の表面に浮き上がらせて排出を促す過程で生じる現象で、決して悪化しているわけではありません。
マイクロクラストは数日〜1週間ほどで自然に剥がれ落ち、その下から色素の薄くなった新しい肌が現れます。この反応は、光がターゲットにしっかり反応した証拠とも言えますのでご安心ください。治療後は、紫外線対策と保湿をしっかりと行うことが大切です。
フォトフェイシャルと他のニキビ跡治療(レーザー治療やダーマペンなど)との違いは何ですか? 費用相場も教えてください。
フォトフェイシャル、レーザー治療、ダーマペンはそれぞれ異なる作用機序を持つニキビ跡治療です。フォトフェイシャル(IPL光治療)は、マイルドな光エネルギーを肌全体に照射し、赤みや色素沈着、シミ、くすみ、毛穴の開きなど複数の肌悩みに複合的にアプローチします。ダウンタイムが短く、幅広い肌質の改善が期待できるのが特徴です。費用相場は全顔1回あたり2万円~3万円程度です。
一方、レーザー治療は特定の波長の強力な光をピンポイントで照射し、特定の肌悩みを集中的に治療します。シミやアザなど、より深い色素性病変や、一部のクレーター治療(フラクショナルレーザーなど)に用いられます。ダウンタイムは症状やレーザーの種類によって異なり、費用相場は1回あたり数万円から数十万円と幅があります。
ダーマペンは微細な針で肌に一時的に穴を開け、肌の自然治癒力を高めることでコラーゲン生成を促進し、クレーター状のニキビ跡や毛穴の開きに効果的です。物理的な刺激による治療のため、ダウンタイムとして赤みや腫れが数日続くことがあります。費用相場は1回あたり2万円~4万円程度です。
どの治療法がご自身のニキビ跡に最適かは、医師とのカウンセリングで肌状態を診断してもらい、相談して決定することをおすすめします。
まとめ:フォトフェイシャルはニキビ跡の赤みや色素沈着に有効!まずは専門医に相談を
フォトフェイシャルは、ニキビ跡の中でも特に「赤み」や「色素沈着」に悩む方にとって、非常に有効な治療法の一つです。IPLという特殊な光が、これらのニキビ跡の原因となるヘモグロビンやメラニン色素に直接作用し、肌のターンオーバーを促進することで、肌のトーンを均一にし、透明感のある肌へと導きます。
しかし、フォトフェイシャルは魔法の治療ではありません。クレーター状のニキビ跡に対しては効果が限定的であるため、ダーマペンやフラクショナルレーザーといった他の治療法の方が適している場合もあります。また、効果を実感するためには複数回の治療が必要であり、一般的には3〜4週間に1回のペースで5回以上の施術が推奨されます。
大阪市鶴見区の『大阪鶴見まつやま眼科』では、IPL光治療の機器の中でも厚生労働省の薬事承認を得ているルミナス社のM22を使用し施術を行っています。ニキビ跡はもちろん、肌の悩みや脱毛、ドライアイの治療もM22で行っています。
IPL光治療について気になることがある方はぜひ『大阪鶴見まつやま眼科』へご相談ください。


