
長い間とれないニキビ跡に悩んでいる人は少なくありません。
「ニキビ跡の治療をしたいけど、痛みやダウンタイムが少ないものがいい」方におすすめの治療法がIPL光治療です。
幅広い肌悩みに効果が期待できるIPL光治療は、ニキビ跡の改善にも効果的です。
この記事では、IPL光治療に適しているニキビ跡を解説し、メリットや注意点についても紹介しています。
ニキビ跡にお悩みの方は、ぜひ一度ご覧ください。
IPLでニキビ跡は改善できる?
IPL光治療とは、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光を照射する美容施術です。
照射できる光の範囲が560nm〜1,200nmと広いため、波長を調整することで幅広い肌悩みに対応できます。
IPL光治療は肌の負担を抑えた治療法で、ダウンタイムが少ないことが特徴のひとつです。
ここでは、ニキビ跡でのIPL光治療を検討している方に向けて、IPLの仕組みやニキビ跡に効果があるかについて詳しく解説します。
IPLの仕組み
IPL光治療は、さまざまな波長で施術を行えるため、それぞれの悩みに合った方法でアプローチできることが特徴です。
主なアプローチ先はメラニン色素、ヘモグロビン、コラーゲンの生成促進、マイボーム腺などがあり、以下のような悩みに効果が期待できます。
IPL光治療のアプローチ | 作用 | 悩みの例 |
---|---|---|
メラニン色素への作用 | メラニン色素に光が吸収され、熱で表皮のメラニン色素を破壊する | シミ・そばかす・くすみなど |
ヘモグロビンへの作用 | 光がヘモグロビンに吸収され、熱で毛細血管を凝固させる | ニキビ・ニキビ跡・赤ら顔など |
コラーゲンの生成促進 | 肌の真皮層を刺激してコラーゲンの生成を促す | しわ・たるみ・毛穴の開きなど |
マイボーム腺 | 熱による血流改善などの作用により、マイボーム腺の詰まりを改善する | ドライアイ |
レーザー治療では、ひとつの症状に対してのみ治療を行いますが、IPL光治療はニキビ跡以外にも複合的な効果が期待できることが特徴です。
IPLはニキビ跡に効果がある
症状の程度やニキビ跡の種類にもよりますが、ニキビ跡にもIPL光治療の効果が期待できます。
ニキビ跡には大きく分けて以下の3つの種類があります。
- 赤みのあるニキビ跡
- 色素沈着したニキビ跡
- クレーターになったニキビ跡
ニキビができてから6か月から1年以上経っても消えない赤みは、ニキビのダメージによって肌が薄くなり、皮膚が赤く見えていることが原因です。
赤みのあるニキビ跡を放置することで、色素沈着を起こし、茶色のニキビ跡になってしまうことがあります。
色素沈着したニキビ跡は、肌のターンオーバーによって自然に消える可能性もありますが、ターンオーバーを促す治療を行うことでその働きを助ける効果が期待できます。
クレーターは、ニキビによってできてしまった傷の炎症が真皮に達して細胞を破壊することが原因で起こります。
IPL光治療は、上記のニキビ跡の中で、赤み、色素沈着、軽度のクレーターの改善に効果的です。
IPLが適しているニキビ跡
自分の悩んでいるニキビ跡が、IPL光治療に適しているかが気になる方もいるかもしれません。
ここでは、IPL光治療が適しているニキビ跡の種類について、どのような作用により効果があるのかを含めて解説します。
色素沈着がある場合
ニキビが治ったのにまたニキビができた、という経験をお持ちの方は少なくありません。
繰り返すニキビがあると、治った後に色素沈着が起こる場合があります。
ニキビ跡が色素沈着を起こす原因は、ニキビができた際の毛穴周辺の炎症によってメラニン色素を生成するメラノサイトという細胞が活性化するためです。
メラノサイトが活性化した結果、メラニンが過剰に増加し、色素沈着を起こすのです。
IPL光治療では、IPLの光がメラニン色素にダメージを与え、沈着したメラニンを肌の表面に浮かび上がらせて色素沈着の改善に効果が期待できます。
また、IPLの熱エネルギーが真皮層に届くと、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞が活性化します。
コラーゲンの生成によって肌のターンオーバーを促進し、体外に老廃物として破壊されたメラニン色素を排出するのに役立つため、ニキビ跡の改善が見込めるのです。
瘢痕が生じた場合
ニキビの後にクレーターのような凹みが現れることがあり、医学的には陥凹性瘢痕と呼ばれます。
クレーターのようなニキビ跡ができる原因は、悪化したニキビの炎症が真皮層にまで進行し、コラーゲンなどの成分が破壊されるためです。
IPL光治療では、ダメージを受けた真皮層に熱エネルギーを届け、コラーゲン生成を促進することで肌質を整えられることから、軽度のクレーターニキビ跡が改善する可能性があります。
ただし、重度のクレーターには効果がない場合があるため、医師と相談のうえで治療を選択してください。
赤みがある場合
ニキビ跡の赤みは、ニキビができたことで毛穴周辺の皮膚が炎症を修復する過程で毛細血管が増えてしまうことで現れます。
ニキビを修復している過程で新たなニキビができてしまうと炎症を繰り返し、肌がダメージを負っていると赤みが皮膚に残る可能性があるのです。
肌に赤みが長期間残っている場合は、自然治癒が難しいとされ、治療を検討する方もいます。
IPL光治療は、ニキビの赤みの原因である毛細血管内のヘモグロビンに作用し、毛細血管の拡張を抑制することでニキビ跡の改善が見込めます。
IPLでニキビ跡を治療するメリット
IPL光治療がニキビ跡に推奨される理由は、主に次の5つです。
- 肌への負担が少ない
- 施術時間が短い
- ダウンタイムが短い
- ニキビ予防に役立つ
- 複数の肌トラブルに対応できる
ここでは、上記のメリットについて、ひとつずつ詳しく紹介します。
肌への負担が少ない
IPL光治療は、症状のある部位以外の周辺組織にはダメージを与えにくく、肌への負担が少ない施術です。
施術後は医師の診察で問題がなければすぐにメイクができ、洗顔も可能です。
施術時間が短い
IPL光治療の施術時間は15~20分程度と短いこともメリットのひとつです。
一般的に診察や準備を含めても1時間以内で終えることができるため、忙しい方でも受けやすい美容施術だと言えるでしょう。
ダウンタイムが短い
IPL光治療は非侵襲的な施術のため、ダウンタイムが短いことも大きなメリットです。
ダウンタイム時の症状としてでやすいものは、施術直後のヒリヒリとした痛み、赤み、かゆみですが、これは一般的に当日中に治まります。
施術後すぐにメイクや洗顔、シャワーも行えるため、予定が多い方でも施術を検討しやすい治療法です。
ニキビ予防に役立つ
ニキビができてしまう原因は、毛穴の詰まり、皮脂の過剰分泌、アクネ菌の増殖です。
IPL光治療で用いる光には、殺菌・抗炎症作用を持つ波長が含まれており、アクネ菌の増殖を防ぐ効果が期待できます。
また、熱エネルギーによって皮脂腺を萎縮させ皮脂の分泌量を減らす効果や、コラーゲン生成でのターンオーバーの促進により毛穴の詰まりの解消が見込めます。
すでにできてしまったニキビやニキビ跡以外にも、ニキビを予防できることはIPL光治療のメリットといえます。
複数の肌トラブルに対応できる
IPL光治療は、複数の波長を組み合わせることができるため、一度の施術でニキビ跡以外の幅広い肌トラブルに同時に対応可能です。
顔全体のくすみや毛穴の開きなど、同時に幅広い効果が期待できるため、ひとつひとつの治療を分けて行う必要がなく、コストパフォーマンスがよいと評価されています。
IPLでニキビ跡を治療する際の注意点
IPL光治療は、上記のようにメリットの多い施術ですが、同時に注意したい点もいくつかあります。
IPL光治療のデメリットを知っておくことで、施術を受ける前に準備できることもあるかもしれません。
メリットとデメリットの両方を参考に、施術を検討することをおすすめします。
複数回の治療が必要になる
IPL光治療は、肌の負担を抑えたマイルドな効果の施術のため、1回の治療では劇的に肌質が変化する可能性は低いです。
ニキビ跡が軽度の場合には一度の施術で効果を実感できる可能性がありますが、一般的に複数回施術を行うことで効果の実感が期待できます。
どのくらいの頻度で何回施術を行えばよいかは、症状などにより個人差がありますが、3~4週間に一度、5回程度の施術が一般的です。
しかし、頻繁に回数を重ねると光による肌のダメージが大きくなり、肌トラブルに繋がるリスクも考えられます。
ご自身の症状や肌の状態をクリニックで相談し、自分に合った適切な回数や頻度を医師に設定してもらうことが大切です。
副作用やリスクがある
IPL光治療の施術後に出やすい副作用として、赤みや腫れ、ほてりなどがあります。
これらの症状は一時的なもので、当日~数日中には治まることがほとんどです。
また、IPLを照射した場合には、好転反応でニキビができる可能性があります。
好転反応とは、衰えていた細胞が機能回復を行った際に生じる、一時的に悪化したように見える反応のことです。
IPL光治療によって肌の新陳代謝が活発になり、肌の内側に溜まっていた老廃物が表面に浮き出しニキビとして現れます。
好転反応によるニキビは1週間ほどで落ち着くケースが一般的で、長引くようであれば、施術を行ったクリニックに相談しましょう。
治療を受けられないケースがある
IPL光治療の特性上、シミができやすい状態の方や、光によって身体に悪影響を及ぼすと考えられる方は治療を受けることができない場合があります。
一般的にIPL光治療が受けられない方は以下のとおりです。
- 妊娠中、授乳中の方
- 極度の日焼けをされている方
- 糖尿病やアルコール中毒の方
- てんかん発作の既往歴がある方
妊娠中や授乳中の方は、ホルモンバランスの影響でシミができやすく、施術を控えたほうがよいとされます。また、胎児への悪影響も考えられるため施術は控えてください。
施術直前に日焼けをしてしまった場合には、メラニンに作用するIPLを照射するとやけどや色素沈着を起こす可能性があるため、日焼けの炎症が落ち着いてから施術を検討しましょう。
施術後のケアが重要
IPL光治療では、施術後のケアが適切でなかった場合、効果が得られないばかりか、肌の状態が悪化してしまうおそれがあります。
施術後の肌は敏感になっており、乾燥や紫外線によるダメージを受けやすい状態になっています。
施術後は以下のようなケアが必要になります。
- 屋外・屋内ともに紫外線対策をしっかりと行う
- 高保湿低刺激のスキンケア製品で入念に保湿を行う
- 刺激の強いアルコール入りの製品は使わない
- 肌を擦ることを避ける
特に紫外線対策は日焼け止めだけでなく、帽子、マスク、日傘などでしっかりと肌を守るようにしましょう。
まとめ
IPL光治療はニキビ跡にも効果が期待できます。
適しているニキビ跡は、赤みのあるニキビ跡・色素沈着したニキビ跡で、軽度であればクレーターのようなニキビ跡にも対応できる場合があります。
『大阪鶴見まつやま眼科』では、IPL光治療の機器の中でも厚生労働省の薬事承認を得ているルミナス社のM22を使用し施術を行っています。
ニキビ跡はもちろん、肌の悩みや脱毛、ドライアイの治療もM22で行っております。
IPL光治療について気になることがある方はぜひ『大阪鶴見まつやま眼科』へご相談ください。