目(眼球)が痛い

目が痛い

長時間のPCやスマートフォンの使用は、現代社会において避けて通れないものでしょう。しかし、それに伴う目の痛みは、単なる疲れ目と片付けてしまいがちです。多くの方が経験する「目の痛み」は、放置すると深刻な目の病気や全身の不調のサインである可能性も潜んでいます。

このコラムでは、目の痛みの原因を「目の表面」「目の奥」に分けて詳しく解説します。ご自身の症状から考えられる原因を特定するためのセルフチェック方法や、症状別の対処法、そして何よりも重要な「専門医を受診すべきタイミング」についてもご紹介します。目の痛みからくる不安を解消し、ご自身の目の健康を守るための一歩として、ぜひご活用ください。

目次

まずはセルフチェック!痛みの場所と症状で原因を探る

目(眼球)が痛い…原因は?

目の痛みを感じたとき、まずはご自身の症状を客観的に観察することが大切です。痛みがどこで、どのような性質で、他の症状を伴っているかを把握することで、その原因をある程度絞り込むことができます。

痛みの場所は、大きく分けて「目の表面」「目の奥」の2つに分類できます。目の表面がチクチクしたり、ゴロゴロしたりするような痛みは、角膜や結膜といった目の外側のトラブルが考えられます。一方、目の奥がズキズキしたり、重く圧迫されるように感じたりする痛みは、目の内部の病気や、時には目以外の疾患が原因である可能性があります。

また、痛みだけでなく、以下のような他の症状の有無も重要な判断材料となります。ご自身の症状と照らし合わせながら確認してみてください。

目の痛み以外のチェックポイント

  • 充血
  • 目やに
  • 涙が止まらない
  • 目がかすむ、視力低下
  • 光がまぶしい(羞明)
  • 目の異物感
  • まぶたの腫れ
  • 頭痛、肩こり、吐き気

例えば、「目の表面のチクチク感」と「充血」が同時に現れている場合は結膜炎の可能性、「目の奥のズキズキ感」と「頭痛」がある場合は眼精疲労や片頭痛の可能性などが考えられます。このセルフチェックで大まかな見当をつけ、次のセクションで詳細な原因と照らし合わせてみましょう。

【タイプ別】目の痛みの原因となる主な病気

目の痛みは、その場所や性質によって、さまざまな病気が考えられます。主に「目の表面のトラブル」と「目の奥や内部のトラブル」の2つのタイプに分けられ、それぞれに異なる原因が隠されています。

このセクションでは、それぞれのタイプで考えられる代表的な病気について詳しく解説していきます。ご自身のセルフチェック結果と照らし合わせながら、当てはまる症状がないか確認してみてください。ご自身の目の痛みの正体を探る手がかりとなるはずです。

① 目の表面が「チクチク」「ゴロゴロ」痛む場合

目の表面に感じる「チクチク」「ゴロゴロ」といった痛みは、多くの場合、目の最も外側にある角膜や結膜の異常によって引き起こされます。これらの部位は外界に常にさらされているため、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすいデリケートな部分です。比較的一般的なトラブルが多いものの、中には角膜を傷つけるなど、放置すると視力に影響を及ぼすケースもあります。単なる疲れ目と自己判断せずに、原因を正しく知ることが目の健康を守る上で非常に重要です。

ドライアイ

ドライアイは、涙の量そのものが減ったり、涙の質が変化して目の表面をしっかりと潤すことができなくなったりすることで、目が乾き、傷つきやすくなる状態を指します。主な症状としては、目の乾き、ゴロゴロとした異物感、目の疲れ、かすみ目などがあります。さらに、刺激に対する抵抗力が弱まることで、逆に涙が止まらなくなる「流涙症」を引き起こすこともあります。

ドライアイの原因は多岐にわたります。最も一般的なのは、長時間のパソコンやスマートフォン作業によるまばたきの減少です。集中して画面を見続けることで、まばたきの回数が通常の3分の1から4分の1にまで減少し、涙が目の表面に行き渡らなくなります。また、エアコンによる室内の空気の乾燥、コンタクトレンズの長時間使用、加齢による涙液分泌量の低下、ストレス、さらにはシェーグレン症候群のような自己免疫疾患が原因となる場合もあります。

特に、現代社会ではデジタルデバイスの使用が不可欠なため、多くの人がドライアイのリスクに晒されています。目の不快感が続くと集中力が低下し、仕事の効率にも影響を及ぼすため、適切なケアと予防が重要になります。

結膜炎・角膜炎

結膜炎と角膜炎はどちらも目の炎症ですが、炎症が起こる部位が異なります。結膜炎は、白目の表面やまぶたの裏側を覆う透明な粘膜である「結膜」に炎症が起きる病気です。主な症状は目の充血、目やにの増加、目のゴロゴロ感、かゆみなどです。原因としては、細菌やウイルス感染、花粉などのアレルギー物質への接触、刺激物の混入などが挙げられます。

一方、角膜炎は黒目の部分にあたる「角膜」に炎症が起きる状態です。角膜は光を取り込む重要な部位であり、非常にデリケートなため、角膜炎は結膜炎よりも強い痛みや異物感を伴うことが多いです。症状としては、強い目の痛み、視力低下、光をまぶしく感じる「羞明(しゅうめい)」などがあり、進行すると角膜に傷がつき、最悪の場合、視力に永続的な影響を与える可能性もあります。細菌やウイルス感染のほか、コンタクトレンズの不適切な使用、外傷などが原因となります。特に角膜炎は、放置すると重篤な視力障害につながる恐れがあるため、早期の診断と治療が不可欠です。

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

一般的に「ものもらい」と呼ばれるまぶたの病気には、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の2種類があります。これらの症状は、見た目は似ていますが、発生メカニズムと症状に違いがあります。

麦粒腫は、まぶたにある皮脂腺や汗腺に細菌が感染して起こる急性の炎症です。まぶたの縁が赤く腫れ上がり、触ると痛みがあり、かゆみを伴うこともあります。化膿が進むと、腫れた部分に膿が溜まり、やがて自然に破れて膿が出ることもあります。細菌感染が原因のため、抗菌薬の点眼や内服薬で治療されることが一般的です。

一方、霰粒腫は、まぶたの奥にあるマイボーム腺という脂を分泌する腺が詰まることで生じる慢性の炎症です。麦粒腫と異なり、通常は痛みやかゆみを伴わず、まぶたの中にしこりができます。小さいうちは自然に治ることもありますが、大きくなると見た目に影響したり、異物感を感じたりすることがあります。炎症が強い場合は痛みを伴うこともあり、この場合は「急性霰粒腫」と呼ばれます。基本的に無菌性炎症ですが、細菌感染を併発することもあります。治療は、温罨法で詰まりを解消したり、ステロイドの注射や、手術でしこりを取り除いたりすることがあります。

異物の混入(角膜異物・結膜異物)

目にゴミや砂、まつげ、あるいはコンタクトレンズの破片などが不意に入り込むと、たちまち強い痛みやゴロゴロとした異物感、そしてとめどなく涙が流れるといった症状が現れます。これらの異物は、目の表面(結膜)に付着することが多いですが、場合によっては黒目(角膜)に食い込むこともあります。

特に危険なのは、鉄粉などの硬い異物が角膜に刺さる「角膜異物」です。異物が入った直後から強い痛みを感じ、放置すると異物の周囲にサビが広がり、炎症が悪化して重症化するリスクがあります。目をこすると、異物によって角膜がさらに傷ついたり、異物が深く食い込んだりする危険性があるため、絶対に目をこすってはいけません。異物が入ったと感じたら、まずはまばたきを繰り返して涙で洗い流すか、清潔な生理食塩水や人工涙液で優しく洗い流すなどの初期対処を試みてください。しかし、痛みが続く場合や異物が取れない場合は、直ちに眼科を受診し、専門医に除去してもらうことが重要です。

コンタクトレンズのトラブル

コンタクトレンズは便利な反面、誤った使用方法やケア不足が目の痛みを引き起こす大きな原因となります。長時間の装用は、角膜への酸素供給を不足させ、「角膜内皮障害」という重篤な状態につながるリスクを高めます。角膜内皮細胞は一度ダメージを受けると再生しないため、視機能に影響を与える可能性があります。

また、レンズケースの不衛生な管理や消毒不足は、細菌や真菌の温床となり、これらが目に感染することで「角膜潰瘍」や「角膜炎」といった重い眼病を引き起こすことがあります。特にアカントアメーバ角膜炎は治療が非常に困難で、失明につながる可能性もあるため、レンズケアの徹底は不可欠です。

さらに、レンズの汚れや傷、合わないレンズの使用、アレルギー体質が原因で「巨大乳頭結膜炎」を発症することもあります。これはまぶたの裏側にブツブツとした巨大な乳頭ができ、かゆみや異物感、目やになどの症状を引き起こします。コンタクトレンズ装用中に目の痛みや違和感を感じたら、すぐにレンズを外し、眼鏡に切り替えるようにしてください。症状が改善しない場合は、決して自己判断せず、必ず使用しているレンズを持参して眼科を受診することが重要です。定期的な眼科検診も、目のトラブルを未然に防ぐために欠かせません。

② 目の奥が「ズキズキ」「重く」痛む場合

目の奥に感じる「ズキズキ」とした痛みや、頭痛を伴うような「重い」痛みは、目の表面の痛みとは異なり、より注意が必要です。このタイプの痛みは、単なる目の使いすぎによる眼精疲労だけでなく、目の内部にある視神経やぶどう膜といった組織の病気が原因となっている場合があります。さらに、目以外の部分、例えば脳や鼻の病気が目の奥の痛みとして感じられることもあります。表面的な痛みよりも深刻な状態が隠れているケースもあるため、自己判断せずに原因を特定し、適切な対応をとることが大切です。

眼精疲労

眼精疲労は、単なる「疲れ目」とは区別される状態です。十分な休息や睡眠をとっても、目の痛みやかすみ、まぶしさ、さらには頭痛、肩こり、吐き気といった全身症状が改善しない場合に眼精疲労と診断されます。

その主な原因として、長時間のPCやスマートフォンの作業が挙げられます。画面を長時間見続けることで、目のピント調節を担う筋肉(毛様体筋)が酷使され、疲労が蓄積します。また、ドライアイによって目の表面が乾燥し、傷つきやすくなることも眼精疲労を悪化させる要因となります。視力に合わない眼鏡やコンタクトレンズの使用、精神的なストレス、睡眠不足なども、目の不調を引き起こし、眼精疲労につながることが知られています。

現代社会では、デジタルデバイスの普及により、多くの人が眼精疲労に悩まされています。一時的な目の疲れだと安易に考えず、生活習慣全体を見直すことが症状改善の第一歩となります。

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎は、目の内部にある「ぶどう膜」という組織に炎症が起こる病気です。ぶどう膜は、虹彩(茶目)、毛様体(ピント調節を担う部分)、脈絡膜(網膜に栄養を送る部分)の3つの部位から構成されており、眼球内部の重要な役割を担っています。この炎症は、目の奥の鈍い痛み、目がかすんで霧がかかったように見える、黒い点が飛んで見える(飛蚊症)、光がまぶしく感じる(羞明)といった症状を伴うことが特徴です。

ぶどう膜炎の原因は多岐にわたり、細菌やウイルスなどの感染によるもの、外傷、そして全身の免疫異常(自己免疫疾患)に伴って発症するものがあります。例えば、サルコイドーシスや原田病といった特定の全身疾患の一症状としてぶどう膜炎が現れることもあります。炎症が長く続くと、緑内障や白内障などの重篤な合併症を引き起こし、視力低下や最悪の場合、失明につながるリスクも存在します。そのため、ぶどう膜炎が疑われる場合は、早期に正確な診断を受け、専門的な治療を開始することが視力維持のために非常に重要です。

視神経炎

視神経炎は、目と脳をつなぐ重要な神経である「視神経」に炎症が生じる病気です。この病気では、目を動かしたときに目の奥に痛みが生じ、特に視力低下が急激に進むことが特徴です。他にも、中心部分が見えにくくなる中心暗点や、色が薄く見える、色の識別がしにくいといった症状が現れることがあります。

視神経炎は、片目だけに症状が出ることもあれば、両目に同時に発症することもあります。特に若い女性に多く見られる多発性硬化症(MS)という中枢神経系の自己免疫疾患の初期症状として現れることが知られており、眼科だけでなく神経内科との連携が必要になるケースもあります。視神経は視覚情報を脳に伝える唯一の経路であるため、炎症によって障害されると、そのまま視力回復が困難になる可能性もあります。もし、上記のような症状に気づいたら、視力に直結する深刻な病気であるため、躊躇せずに直ちに眼科を受診することが非常に大切です。

目の病気以外が原因のことも(片頭痛・副鼻腔炎など)

目の奥の痛みは、必ずしも目の病気だけが原因とは限りません。他の体の不調が目の痛みとして感じられることもあります。代表的な例として挙げられるのが「片頭痛」と「副鼻腔炎」です。

片頭痛の場合、ズキンズキンと脈打つような激しい頭痛とともに、片側の目の奥にえぐられるような痛みが現れることがあります。目の症状だけでなく、吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるなどの症状を伴うことも多いです。このような目の奥の痛みは、片頭痛の兆候として捉えられます。

また、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)も目の奥の痛みの原因となることがあります。目の下や眉間のあたり、鼻の奥には副鼻腔という空洞があり、ここに炎症が起こると、膿がたまることで圧迫感が生まれ、目の奥に重い痛みや鈍痛を感じることがあります。風邪が長引いたり、鼻水や鼻づまりがひどい場合に目の奥が痛むようなら、副鼻腔炎の可能性も考えられます。

これらの場合、眼科で目の異常が見つからないことも多く、それぞれ脳神経内科や耳鼻咽喉科など、専門の診療科を受診して適切な診断と治療を受ける必要があります。目の痛みだからといって眼科だけが選択肢ではないことを覚えておきましょう。

【緊急】すぐに眼科へ!失明リスクもある危険な目の痛み

眼球が痛むとき【症状別の原因】

「たかが目の痛み」と軽視してはいけません。目の痛みの中には、わずか数時間治療が遅れるだけで、失明に至るなど回復不能なダメージにつながる危険な症状も存在します。これからご紹介する症状が少しでも当てはまる場合は、ためらわずに救急外来を受診するか、すぐに眼科医へ連絡してください。大切な目を守るために、迅速な対応が求められます。

急性緑内障発作:激しい目の痛み・頭痛・吐き気

緊急性の高い目の病気の中でも特に注意が必要なのが「急性緑内障発作」です。これは、目の内部の圧力である眼圧が急激に、そして著しく上昇することで起こる発作です。これまでに経験したことのないような、目の奥をえぐられるような激しい痛みが特徴で、同時に、その目と同じ側の頭痛や、吐き気、嘔吐を伴うことが典型的な症状として現れます。

症状は目の痛みや頭痛だけにとどまりません。目が赤く充血し、黒目の部分が普段よりも大きくなったり(散瞳)、光の周りに虹のような輪が見えたり(虹視症)することもあります。また、急激な視力低下を感じることも特徴的です。急性緑内障発作は、一刻を争う非常に危険な状態であり、緊急手術が必要になるケースも少なくありません。もしこれらの症状が突然現れた場合は、迷わずすぐに眼科を受診してください。

その他、急いで受診すべき症状

急性緑内障発作以外にも、以下のような症状が一つでも現れた場合は、失明のリスクや重篤な状態が隠れている可能性があるため、迷わずにすぐに眼科を受診することが重要です。

  • 突然の視力低下、視野の一部が欠ける・カーテンがかかったように見える場合:網膜剥離の可能性があります。網膜剥離は、放置すると失明に至る危険性があります。
  • 飛蚊症の症状が急に悪化する場合:飛蚊症とは、視野の中に黒い点や糸くずのようなものが浮いて見える状態を指しますが、これが急激に増えたり、形が変化したりする場合は、網膜裂孔や眼底出血などの重篤な網膜疾患が疑われます。
  • 目を強くぶつけた後の強い痛みや見え方の異常:眼球破裂などの外傷の可能性があります。外部からの強い衝撃により、目の組織が損傷している危険性があり、緊急の処置が必要となることがあります。
  • 化学薬品が目に入った場合(化学眼外傷):酸性やアルカリ性の化学薬品が目に入ると、角膜や結膜に深刻な損傷を与え、短時間で視力障害を引き起こす可能性があります。すぐに大量の清潔な水で目を洗浄した後、速やかに眼科を受診してください。

これらの症状は、ご自身の判断で軽視せず、早急に専門医の診断を仰ぐことが、大切な目を守る上で不可欠です。

今すぐできる!目の痛みを和らげる応急処置とセルフケア

目の痛みを感じたとき、すぐに病院へ行けない状況もあるかと思います。そのようなときに、ご自身でできる応急処置やセルフケアを知っておくと、一時的に症状を和らげることが可能です。ただし、ここで紹介する対処法はあくまで一時的なものであり、根本的な治療には専門医による診断が不可欠です。症状が悪化する場合や、これまで解説してきた緊急性の高い症状が見られる場合は、すぐに中止して眼科を受診してください。自己判断でのケアが、かえって症状を悪化させることもあるため、注意が必要です。

目の表面が痛いときのケア

目の表面に感じるチクチクとした痛みやゴロゴロ感、異物感は、ドライアイや軽い異物混入、あるいは結膜の軽い炎症などが原因のことが多いです。まず、コンタクトレンズを装用している場合は、必ずすぐに外しましょう。コンタクトレンズが原因で目に負担がかかっている可能性や、汚れたレンズが炎症を悪化させている可能性があります。眼鏡に切り替えて目を休ませてください。

次に、防腐剤の入っていない人工涙液を点眼し、目の表面を潤すことをおすすめします。これにより、乾燥による不快感を和らげたり、目に入った小さなゴミや花粉を洗い流したりする効果が期待できます。市販されている目薬の中には、アレルギー症状を和らげる成分や、目の炎症を抑える成分が含まれているものもありますが、自己判断せずに薬剤師に相談して選ぶと良いでしょう。

まぶたの炎症(ものもらいなど)が疑われる場合は、清潔なタオルを冷水で濡らして軽く絞り、まぶたに当てることで痛みが和らぐことがあります。ただし、炎症部位を刺激しないよう、優しく当ててください。また、目の表面に痛みを感じたときには、目を強くこすったり押したりすることは絶対に避けてください。角膜を傷つけたり、異物をさらに奥に押し込んでしまったりする危険性があるため、逆効果になってしまいます。

目の奥が痛いときのケア

目の奥に感じる重い痛みやズキズキとした感覚は、眼精疲労やそれに伴う頭痛が主な原因であることが多いです。このような痛みには、目の周りの筋肉をリラックスさせ、血行を促進するケアが有効です。

まずは、スマートフォンやパソコンの画面から一度離れ、意識的に目を休ませましょう。遠くの景色を眺めたり、目を閉じて休憩したりすることで、ピント調節筋の緊張が和らぎます。特に、長時間集中して画面を見続けた後は、意識的に休憩を取ることが重要です。

蒸しタオルを使って目の周りを温めるのも効果的です。濡らしたタオルを電子レンジで1分ほど温め、火傷しない程度の温度になったら目を閉じてまぶたの上に置きましょう。目の周りの血行が促進され、こり固まった筋肉がほぐれることで、目の奥の重い痛みが軽減されることがあります。また、温めることでマイボーム腺の詰まりが解消され、ドライアイの改善にもつながる場合があります。同時に、首や肩、こめかみを軽くマッサージしたり、ストレッチをしたりすることも、全身の緊張がほぐれて目の痛みの緩和に役立ちます。

注意!やってはいけないNGケア

目の痛みを和らげようとして、かえって症状を悪化させてしまう「NGケア」が存在します。正しい知識を持って、適切な対処を心がけましょう。

  • 目を強くこする・押す: 異物が入っている場合や炎症がある場合に目をこすると、角膜や結膜を傷つけ、症状を悪化させる原因になります。異物がある場合は、こすらず人工涙液で洗い流すか、眼科を受診してください。
  • 原因がわからないのに自己判断で市販の目薬(特にステロイド含有のもの)を使う: 市販の目薬の中には、炎症を抑えるステロイド成分が含まれているものがあります。ステロイドは一時的に症状を抑える効果がある一方で、緑内障や白内障を悪化させるリスクがあるため、自己判断での使用は非常に危険です。特に感染症が原因の場合、ステロイドによってかえって悪化することもあります。
  • 他人の処方薬や古い目薬を使う: 処方薬は個人の症状に合わせて医師が処方するものであり、他人の症状に合うとは限りません。また、使用期限が切れた目薬は、効果が低下しているだけでなく、細菌が繁殖している可能性があり、感染症のリスクを高めます。
  • 充血を取るだけの血管収縮剤入りの目薬を乱用する: 血管収縮剤入りの目薬は、一時的に充血を取る効果がありますが、頻繁に使用すると、かえって充血が悪化する「リバウンド現象」を引き起こすことがあります。根本的な治療にはならないため、症状が続く場合は眼科を受診しましょう。

これらのNGケアを避けることで、症状の悪化を防ぎ、より安全に目の健康を守ることができます。少しでも不安を感じる場合は、ためらわずに眼科医に相談することが最も大切です。

目の痛みを繰り返さないための予防策

目の痛みは、一度解消されたとしても、生活習慣や環境が改善されなければ再発する可能性があります。ここでは、その場しのぎの対処療法でなく、根本的に目の痛みを予防し、健康な状態を維持するための長期的なアドバイスをご紹介します。日々の少しの工夫で、目の負担を大きく減らすことができますので、ぜひご自身の生活に取り入れられそうなものから実践してみてください。

PC・スマホ作業の環境を見直す

現代の生活において、PCやスマートフォンの使用は避けて通れません。しかし、これらのデジタルデバイスが目の負担の大きな原因となっているのも事実です。目を酷使しがちなデジタル作業環境を見直すことは、目の痛みを予防する上で非常に重要です。

まず、意識的に休憩を取り入れることが大切です。「20-20-20ルール」を実践してみましょう。これは、20分ごとに画面から目を離し、20フィート(約6メートル)先のものを20秒間見るという簡単なルールです。これにより、目のピント調節機能がリラックスし、眼精疲労の蓄積を防ぐことができます。また、モニター画面は目の高さより少し下になるように設置し、画面を見下ろす形にすると、首や肩への負担も軽減され、ドライアイの原因となる目の露出面積を減らす効果も期待できます。

画面の明るさも重要です。部屋の明るさに合わせてモニターの輝度を調整し、まぶしすぎたり暗すぎたりしないように設定しましょう。最近のデバイスにはブルーライトカット機能が搭載されているものも多いので、積極的に活用したり、ブルーライトカットフィルターを使用したりするのも良いでしょう。さらに、エアコンなどによる空気の乾燥はドライアイを悪化させます。加湿器などを活用し、室内の湿度を50~60%に保つよう心がけることも、目の乾燥を防ぐ有効な手段です。

コンタクトレンズを正しく使う

コンタクトレンズは便利な反面、誤った使用方法が目のトラブルを招く大きな原因となることがあります。目の痛みを予防するためには、コンタクトレンズを正しく使うことが不可欠です。

まず、装用時間は必ず守りましょう。特に、終日装用タイプではないレンズは、就寝時には必ず外してください。また、レンズの洗浄・消毒は毎日欠かさず、正しい方法で行うことが重要です。レンズケースも雑菌が繁殖しやすい場所なので、定期的に交換し、清潔に保つことを徹底してください。不適切なケアは、角膜炎や角膜潰瘍といった重篤な目の病気の原因となる可能性があります。

さらに、目の健康を保つためには、コンタクトレンズを連続で装用しすぎないことも大切です。調子が悪いと感じる日は無理せず眼鏡に切り替えたり、週に何日か「ノーコンタクトデー」を設けたりして、目を休ませる習慣をつけましょう。定期的な眼科検診も非常に重要です。レンズの度数が合っているか、目の状態に変化がないかなど、プロの目でチェックしてもらうことで、トラブルの早期発見や予防につながります。

生活習慣を整える(食事・睡眠・ストレスケア)

目の健康は、全身の健康と密接に結びついています。目の痛みを予防し、健康な目を維持するためには、日々の生活習慣を総合的に見直すことが非常に重要です。

食事の面では、目に良いとされる栄養素を意識的に摂取しましょう。目の粘膜を健康に保つビタミンAは、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に豊富に含まれています。また、目の酸化ストレスから守る抗酸化作用のあるビタミンCは果物や野菜に、ビタミンEはナッツ類や植物油に多く含まれます。さらに、ルテインという色素は緑黄色野菜、特にケールやほうれん草に多く、目の保護に役立つとされています。これらの栄養素をバランス良く食事に取り入れることで、目の機能をサポートすることができます。

十分な睡眠も目の健康には不可欠です。日中に酷使された目の筋肉や神経は、睡眠中に修復され回復します。質の良い睡眠を確保することで、目の疲労がリセットされ、ドライアイや眼精疲労の予防につながります。また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、目のピント調節機能や涙の分泌量に悪影響を与えることがあります。適度な運動、趣味、リラックスできる時間を持つなど、ストレスを上手に管理することも、目の健康を保つ上で大切な要素となります。

目の痛みで眼科を受診する目安とポイント

「このくらいの目の痛みで病院に行くのは大げさかもしれない」と受診をためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、目の痛みは放置すると深刻な病気につながる可能性もあるため、適切なタイミングで専門医に相談することが、結果的に最も早く、そして確実に症状を解決する道です。このセクションでは、眼科を受診すべきタイミングや、スムーズな診察のために事前に準備しておくと良いポイントをご紹介します。ご自身の目の健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。

こんな症状が出たら眼科へ!受診のタイミング

目の痛みは、一過性の疲れや軽度の刺激によるものから、緊急性の高い重篤な病気のサインまで、原因はさまざまです。ご自身で様子を見ていても改善しない場合や、症状が悪化する場合には、迷わず眼科を受診しましょう。特に以下のような症状が見られる場合は、速やかな受診が必要です。

  • 市販薬やセルフケアを試しても1〜2日以上痛みが続く場合
  • 痛みがだんだん強くなる場合
  • 視力低下、かすみ、視野が狭くなるなど、見え方に異常がある場合
  • 強い充血や多量の目やにを伴う場合
  • 激しい痛み、頭痛、吐き気を伴う場合

これらの症状は、結膜炎やドライアイといった比較的軽度なものから、急性緑内障発作や網膜剥離、視神経炎など、早期の治療が必要な病気まで、幅広い可能性を示唆しています。自己判断せずに専門医の診察を受けることが、大切な目を守るための第一歩となります。

受診時に医師に伝えると良いことリスト

眼科を受診する際、医師に正確な情報を伝えることは、的確な診断と適切な治療方針の決定に不可欠です。限られた診察時間の中で効率的に症状を伝え、疑問を解消するためにも、事前に情報を整理しておくことをおすすめします。以下の項目について、メモをして持参するなどして準備しておくと良いでしょう。

  • いつから痛むか(例:昨日から、1週間前からなど)
  • どのような痛みか(チクチク、ゴロゴロ、ズキズキ、重い感じなど具体的な表現)
  • 痛みの他にどんな症状があるか(充血、目やに、かすみ、まぶしさ、涙、頭痛、吐き気など)
  • どんな時に痛みが強くなるか/和らぐか(例:PC作業中、目を動かすと、温めるとなど)
  • コンタクトレンズや眼鏡の使用状況(種類、装用時間、買い替え時期など)
  • 現在使用している薬や目薬(市販薬を含む。できれば現物を持参)
  • 持病やアレルギーの有無(特に糖尿病、高血圧、アレルギー性鼻炎など)
  • 過去の目の病気や手術の経験

これらの情報を詳しく伝えることで、医師はより早く正確な診断を下しやすくなります。不明な点や不安なことも遠慮せずに質問し、ご自身の目の状態をしっかりと理解するように努めましょう。

まとめ:目の痛みは体からのSOS!不安なときは専門医に相談を

目の痛みは、単なる疲れや一時的な不快感として片付けられがちですが、実際には私たちの体からの重要なSOSであることが少なくありません。ドライアイや眼精疲労といった身近な症状から、放置すると視力に影響を及ぼしたり、最悪の場合失明につながる可能性のある緑内障や視神経炎、網膜剥離といった深刻な病気に至るまで、その原因は多岐にわたります。自己判断で症状を放置したり、誤った対処法を試したりすることは、回復を遅らせたり、さらに重篤な状態を招いたりするリスクがあります。

特に、この記事でご紹介した「急性緑内障発作」のように、激しい痛みや吐き気を伴う場合は、一刻を争う緊急事態です。また、突然の視力低下や視野の異常、今まで経験したことのない目の奥の痛みなど、普段と違うと感じた際には、ためらわずに眼科医に相談することが何よりも重要です。専門医による的確な診断と早期の治療が、大切な目の健康を守り、回復を早めるための最も確実な一歩となります。

目の不調は、仕事や日常生活の質を大きく左右するものです。「このくらいで病院に行くのは大げさかな」と躊躇する気持ちも理解できますが、不安な気持ちを抱え続けるよりも、一度専門医に相談して原因を明確にすることが、結果的に心の負担を軽くし、目の健康を取り戻す近道となります。専門医に相談することは、不安を解消し、大切な目の健康を守るための最も確実な一歩であることを覚えておきましょう。

目(眼球)が痛い よくあるご質問(Q&A)

目を押すと片目だけ眼球が痛いです。特にぶつけてもなく、ものもらいなども出来ていません。原因は何が考えられますか?

目を押したときに痛みを感じる原因としては、麦粒腫(ものもらい)や霰粒腫、結膜炎などが考えられます。まぶたの内側にできるものもらい(内麦粒腫)は、外から見ても気が付きにくいいため、ものもらいが無いと思っていても眼科の診察で見つかることもあります。放っていると、押さなくても眼球に痛みを生じるようになるため、眼科を受診して適切な診断を受けるようにしましょう。

目を動かすと眼球に痛みを感じます。点眼をすれば治るものなのでしょうか?

目を動かすと眼球に痛みを感じる原因は様々ですが、一般的なものとして結膜炎があります。結膜は、まぶたの裏側と白目を覆っている粘膜で、細菌やウイルスに感染すると炎症を起こし、目の痛みだけでなく、かゆみ、目の充血、目やになどの症状を引き起こします。結膜炎には、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎など様々な種類があります。結膜炎は点眼で治療することで治療を行います。 その他にも、結膜にまつ毛や異物が入ることにより痛みを生じることがあります。結膜異物による痛みの場合は、異物を取ることが治療となります。

時々眼球が痛くなるのですが、寝不足でも眼球が痛くなることはありますか?

睡眠不足は、眼精疲労を引き起こす原因になります。眼精疲労では、眼球や目の周囲の筋肉が固まって血流が悪くなります。この場合、血行不良によって疲労物質が溜まったせいで、目に痛みを生じることがあります。他にも、目が重い、ショボショボする、充血、かすみや視力の低下などの症状が現れることがあります。眼精疲労は、パソコンやスマホの画面を長時間見る人などに発症しやすい傾向があります。

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