「白内障の原因は年齢だけ?」
「まだ若いのに白内障と言われた」
「糖尿病やステロイド薬、昔の目のけがは関係する?」
白内障は、目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁る病気です。最も多い原因は加齢に伴う変化ですが、糖尿病、ステロイド薬、目の外傷や手術、ぶどう膜炎などが関係し、比較的若い年齢で発症することもあります。
また、喫煙、過度の飲酒、長期間の紫外線曝露などは、白内障の発症や進行を早める可能性がある要因です。一方で、複数の要因が重なっている場合や、明らかな原因を一つに特定できない場合もあります。
原因や関連要因を確認することは、白内障そのものだけでなく、糖尿病網膜症やぶどう膜炎など、見え方へ影響するほかの病気を見逃さないためにも大切です。
この記事では、白内障の原因となりやすい病気・薬・外傷歴・生活上の要因、若い方に起こる白内障、受診時に医師へ伝えていただきたいことを解説します。

白内障の多くは加齢に伴って起こりますが、糖尿病、ステロイド薬、目の外傷や病気などが関係し、比較的若い年齢で発症することもあります。
かすみ、まぶしさ、片目だけの見えにくさ、眼鏡を変えても見えにくいといった症状がある方は、年齢だけで判断せずご相談ください。
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白内障の最も多い原因は加齢です

水晶体は本来、透明な組織です。年齢を重ねると、水晶体を構成するたんぱく質や線維などが変化し、少しずつ濁りが生じやすくなります。
このように加齢に伴って起こる白内障を「加齢性白内障」と呼びます。白内障の中で最も多いタイプです。
年齢とともに水晶体が濁る理由
水晶体のたんぱく質などが長い年月の中で変化し、集まったり、水晶体が黄色や褐色を帯びたりすることで、光が通りにくくなります。
その結果、視界のかすみ、まぶしさ、夜間の見えにくさ、色の見え方の変化などが起こることがあります。
加齢性白内障の進み方には個人差があります
同じ年齢でも、水晶体の濁り方や進行速度、見え方への影響は患者さんによって異なります。左右の目で進み方が違うこともあります。
年齢が高いから必ずすぐ手術が必要になるわけではなく、反対に比較的若い方でも、目の状態や生活への影響によって治療を検討することがあります。
加齢以外で白内障の原因・関連要因となるもの
加齢以外にも、病気、薬、目の外傷や手術などが白内障に関係することがあります。一つだけでなく、複数の要因が重なっている場合もあります。
糖尿病
糖尿病がある方は、白内障が比較的若い時期に起こったり、進行しやすくなったりすることがあります。
また、糖尿病のある方の見えにくさには、白内障だけでなく、糖尿病網膜症や黄斑浮腫が関係している場合があります。白内障の状態とともに、眼底の確認も重要です。
血糖値の変化によって一時的に眼鏡の度数が変わることもあります。見え方が変化したときは、自己判断で眼鏡を作り直すだけでなく、眼科で原因を確認しましょう。

アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎のある方では、比較的若い年齢で白内障がみられることがあります。
アトピー性皮膚炎そのもの、目の周囲を強くこする・たたく刺激、治療に使用するステロイド薬など、複数の要因が関係する可能性があります。
顔や目の周囲の症状が強い方、片目または両目のかすみ・まぶしさがある方は、皮膚科の治療を続けながら眼科でもご相談ください。
ステロイド薬
ステロイド薬は、アトピー性皮膚炎、喘息、自己免疫疾患、ぶどう膜炎など、さまざまな病気の治療に必要な薬です。
一方、薬の種類、投与方法、量、使用期間などによっては、白内障のリスクに関係することがあります。特に、水晶体の後ろ側に濁りが生じる「後嚢下白内障」がみられることがあります。
内服薬だけでなく、点眼薬、吸入薬、注射薬、塗り薬なども含め、現在または過去に使用したステロイド薬がある場合は、眼科受診時にお伝えください。
必要なステロイド薬を自己判断で減量・中止しないでください。処方医の治療を続けながら、必要に応じて眼科で水晶体や眼圧を確認します。
目の外傷
目を強くぶつけた、物が刺さった、薬品が入ったなどの外傷により、水晶体が傷つき白内障になることがあります。
外傷後すぐに濁りが現れる場合もあれば、数年たってから白内障が進行する場合もあります。
昔のけがであっても、受診時には、どちらの目を、いつ、どのように負傷したかをお伝えください。白内障だけでなく、水晶体を支える組織、虹彩、網膜などにも影響が残っていないか確認します。
ぶどう膜炎などの目の病気
目の中に炎症が起こるぶどう膜炎などでは、病気による炎症や、治療に使用するステロイド薬が白内障に関係することがあります。
炎症を繰り返している方では、白内障の進行だけでなく、黄斑部のむくみ、眼圧上昇、緑内障なども確認します。
目の痛み、充血、強いまぶしさ、急なかすみを伴う場合は、一般的な加齢性白内障だけではない可能性があるため、早めに眼科を受診してください。
過去の目の手術・放射線治療
緑内障手術や硝子体手術など、ほかの目の病気に対する手術後に、白内障が進行することがあります。
また、目や頭部の近くへの放射線治療が白内障に関係する場合があります。過去の治療であっても、手術名や放射線治療歴が分かる範囲でお伝えください。
強度近視
近視が強い方では、比較的若い時期に白内障がみられることがあります。
強度近視では、白内障だけでなく、網膜裂孔・網膜剥離、黄斑部の病気、緑内障などにも注意が必要です。見えにくさの原因が水晶体だけか、眼底や視神経にも問題がないかを確認します。
先天的・遺伝的要因
生まれつき水晶体に濁りがある「先天性白内障」や、乳幼児期・小児期に発症する白内障があります。
遺伝的な要因、妊娠中の感染症、代謝に関係する病気などが原因となることがありますが、原因を特定できない場合もあります。
乳幼児期の白内障は視力の発達へ影響することがあるため、早期の診断が重要です。瞳の中央が白く見える、目の位置がずれる、物を目で追いにくいなど気になる様子があれば、小児眼科へご相談ください。

白内障の発症や進行を早める可能性がある生活上の要因
次の項目は、白内障の発症や進行を早める可能性がある要因です。ただし、一つに当てはまるだけで必ず白内障になるわけではありません。
喫煙
喫煙は、白内障を含むさまざまな目の病気のリスクに関係します。現在喫煙している方は、目と全身の健康を守るためにも禁煙を検討しましょう。
ご自身だけでの禁煙が難しい場合は、かかりつけ医や禁煙外来へ相談する方法があります。
過度の飲酒
過度の飲酒も、白内障が形成されやすくなる要因の一つとされています。
飲酒量は、年齢、体格、肝臓病、糖尿病、高血圧、服用薬などによっても考え方が異なります。治療中の病気がある方は、主治医へご相談ください。
長期間の紫外線曝露

無防備な状態で長期間紫外線を浴びることは、白内障の発症や進行に関係する可能性があります。
屋外で長く過ごすときは、UVカット性能を確認したサングラスや、つばのある帽子を利用し、目へ入る紫外線を減らしましょう。
紫外線対策、食事、サプリメント、点眼薬など、白内障の予防・進行については次の記事で詳しく解説しています。

若い方にも起こる「若年性白内障」

一般的な加齢性白内障より若い年齢で発症する白内障を、「若年性白内障」と呼ぶことがあります。年齢だけで厳密に区切られる統一的な名称ではありません。
若い方で白内障がみられる場合は、次のような背景を確認します。
- 糖尿病などの全身疾患
- アトピー性皮膚炎
- ステロイド薬の使用歴
- 過去の目の外傷
- ぶどう膜炎などの目の病気
- 過去の目の手術や放射線治療
- 強度近視
- 家族歴・遺伝的要因
これらに当てはまらず、明らかな原因を特定できない場合もあります。「若いから白内障ではない」と自己判断せず、見え方の変化があれば眼科で確認しましょう。
片目だけ・急速に見えにくくなる場合
外傷性白内障、目の炎症、糖尿病に伴う変化などでは、左右差が大きかったり、比較的短い期間で見え方が変化したりすることがあります。
ただし、急な視力低下は白内障以外の病気でも起こります。突然見えにくくなった、目の痛みや充血がある、飛蚊症が急に増えた、視野が欠けるといった症状がある場合は、早めに眼科を受診してください。
原因が一つに特定できないこともあります
白内障は、加齢、病気、薬、外傷歴、生活上の要因などが複合して起こることがあります。詳しく確認しても、原因を一つに決められない場合もあります。
また、糖尿病を管理する、禁煙する、紫外線対策を行うなどの対策は大切ですが、すでに濁った水晶体を透明な状態へ戻すものではありません。
「自分の生活が悪かったから白内障になった」と一人で責任を感じる必要はありません。現在の白内障の状態と見え方を確認し、経過観察や治療について考えることが大切です。
受診時に医師へ伝えていただきたいこと
白内障の原因や、ほかの目の病気を確認するため、次の内容を分かる範囲でお伝えください。
- いつ頃から、どちらの目が見えにくいか
- かすみ、まぶしさ、二重見え、夜間の見えにくさなどの症状
- 糖尿病、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患などの持病
- 現在および過去に使用したステロイド薬
- 目の外傷、手術、炎症、放射線治療の経験
- ご家族に若い頃から白内障がある方がいるか
- 使用している眼鏡・コンタクトレンズ
- お薬手帳、過去の検査結果、紹介状
薬の名前が分からない場合は、お薬手帳や薬の現物、処方内容が分かる写真などをお持ちください。
見え方に変化がある場合は眼科で確認しましょう
白内障では、次のような見え方の変化が起こることがあります。
- 視界がかすむ、ぼやける
- 太陽光、室内照明、対向車のライトをまぶしく感じる
- 夕方や夜間に見えにくい
- 片目で見ても、物が二重・三重に見える
- 左右で明るさや色の見え方が違う
- 眼鏡の度数を変えても見えにくい
これらの症状は白内障以外の病気でも起こります。症状だけで原因を決めず、視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査などで確認します。

急な見え方の変化は、白内障以外の病気も考えます
突然の視力低下、強い目の痛みや充血、飛蚊症の急な増加、光が走る、視野の一部が欠けるといった症状は、一般的な加齢性白内障のゆっくりした経過とは異なります。早めに眼科を受診してください。
白内障が日常生活へ影響している場合は、原因の確認だけでなく、手術を検討する時期についてもご説明します。

まとめ
- 白内障の最も多い原因は加齢に伴う水晶体の変化です
- 糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬、目の外傷や病気、過去の手術なども関係します
- 喫煙、過度の飲酒、長期間の紫外線曝露は、発症・進行を早める可能性があります
- 若い方でも白内障になることがあり、年齢だけでは否定できません
- 詳しく調べても、原因を一つに特定できない場合があります
- 急な視力低下や痛みを伴う場合は、白内障以外の病気も考えて早めに受診します
白内障の原因が気になる方、比較的若い年齢で白内障を指摘された方は、持病、使用薬、外傷歴などを含めて目の状態を確認しましょう。
年齢だけでなく、糖尿病、使用している薬、目の外傷や手術、ほかの目の病気などを確認します。
最初の受診で手術を決める必要はありません。現在の白内障の状態と見え方への影響を確認し、経過観察や治療についてご説明します。
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白内障の原因についてよくあるご質問
白内障の最も多い原因は何ですか?
最も多い原因は、加齢に伴う水晶体の変化です。年齢を重ねると水晶体のたんぱく質などが変化し、少しずつ濁りが生じやすくなります。
ただし、白内障の進み方や見え方への影響には個人差があり、糖尿病、薬、目の外傷や病気などが重なっていることもあります。
若い人でも白内障になりますか?
若い方でも白内障になることがあります。糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬、目の外傷、ぶどう膜炎、強度近視、遺伝的要因などが関係する場合があります。
一方、詳しく確認しても明らかな原因を特定できないことがあります。若いから白内障ではないと自己判断せず、見え方が変化した場合は眼科を受診してください。
糖尿病があると白内障になりやすいですか?
糖尿病がある方は、白内障が比較的若い時期に起こったり、進行しやすくなったりすることがあります。
また、見えにくさには糖尿病網膜症や黄斑浮腫が関係する場合もあるため、白内障だけでなく眼底の確認も大切です。
ステロイド薬を使うと必ず白内障になりますか?
ステロイド薬を使用した方が、必ず白内障になるわけではありません。白内障との関係は、薬の種類、投与方法、量、使用期間、患者さんの目や全身の状態などによって異なります。
必要な薬を自己判断で中止せず、処方医の指示に従ってください。使用歴を眼科医へ伝え、必要に応じて水晶体や眼圧を確認します。
昔の目のけがが、後から白内障の原因になることはありますか?
あります。外傷性白内障は、目のけがの直後に起こることもあれば、数年たってから進行することもあります。
昔のけがであっても、どちらの目を、いつ、どのように負傷したかを受診時にお伝えください。水晶体以外の組織への影響も確認します。
喫煙・飲酒・紫外線を避ければ、白内障を完全に予防できますか?
完全に予防することはできません。多くの白内障は加齢に伴って起こり、家族歴など変えられない要因もあります。
ただし、禁煙、過度の飲酒を避けること、屋外で紫外線対策を行うことは、白内障に関係する変えられるリスクを減らすために大切です。
監修:大阪鶴見まつやま眼科 院長 松山真弘
最終医学的確認日:2026年8月16日

