「緑内障は、なぜ起こるの?」
「眼圧が正常なのに、なぜ緑内障になる?」
「スマートフォンやストレスが原因?」
「家族に緑内障の人がいるけれど、遺伝する?」
緑内障は一つの原因だけで起こる病気ではありません。眼圧、目の中を流れる房水、房水の出口である隅角、視神経が眼圧の影響を受けやすいかどうかなどが関係し、病型によって起こるしくみが異なります。
眼圧が高いことは重要な原因・要素ですが、眼圧が一般的な正常範囲でも正常眼圧緑内障になる方がいます。反対に、眼圧が高くても視神経や視野に緑内障性の変化がない「高眼圧症」の方もいます。
また、他の目の病気、ステロイド薬、外傷、目の手術など、原因をある程度特定できる続発緑内障もあります。この記事では、房水と眼圧の基本から、原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、原発閉塞隅角緑内障、続発緑内障、小児緑内障が起こるしくみを分けて解説します。
健康診断で眼圧や視神経を指摘された方、血縁者に緑内障の方がいる方、強い近視やステロイド使用歴がある方は「一般診療」でご相談ください。
眼圧だけでなく、眼底・OCT・視野・隅角などを確認し、どの病型が考えられるか、治療や経過観察が必要かをご説明します。
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結論|緑内障の原因を理解する4つのポイント
- 緑内障は、視神経と視野に特徴的な変化が起こる病気です。眼圧だけで診断する病気ではありません。
- 眼圧を下げることは、病型を問わず治療の中心です。正常眼圧緑内障でも、現在より眼圧を下げることで進行を抑えられる可能性があります。
- 「開放隅角」と「閉塞隅角」では、眼圧が上がるしくみと治療方針が異なります。
- スマートフォン、ストレス、食べ物だけを、緑内障の直接原因と断定することはできません。病型と視神経の状態を眼科検査で確認することが必要です。
緑内障とは、視神経が障害されて視野が変化する病気です
緑内障では、目から入った情報を脳へ伝える視神経、とくに視神経乳頭や網膜神経線維層に特徴的な変化が起こり、その変化に対応して視野が欠けていきます。
障害された視神経や失われた視野を元へ戻すことは、現在の一般的な治療では困難です。そのため、眼圧を十分に下げ、残っている視機能をできるだけ長く守ることが治療の目的になります。
緑内障は「眼圧が高い病気」とだけ説明することはできません。眼圧は重要ですが、同じ眼圧でも視神経が受ける影響には個人差があります。病型、診断時の進行度、眼圧の変動、視神経の形、近視などを組み合わせて考えます。

房水・隅角・眼圧の関係
房水は、目の中を循環する透明な液体です
房水は主に毛様体で作られ、水晶体の前方、瞳孔、前房を通って流れます。その多くは、角膜と虹彩が接する部分にある「隅角」から、線維柱帯、シュレム管を通って目の外へ排出されます。これとは別に、ぶどう膜強膜流出路と呼ばれる経路からも排出されます。
眼圧は、房水が作られる量と排出される量のバランスで決まります
房水が作られる量に対して排出が少なくなると、目の中に房水がたまり、眼圧が上がります。点眼薬、レーザー、手術には、房水の産生を減らす方法と、房水の排出を促す方法があります。
ただし、眼圧の数値が高いか低いかだけで緑内障の有無は決まりません。眼圧は時間帯、季節、測定条件などによって変動し、角膜の厚さや屈折矯正手術歴も測定値の解釈に影響します。
隅角が開いているか、狭いかで病型が大きく分かれます
隅角鏡検査では、房水の出口が見える「開放隅角」か、虹彩によって狭くなっている「狭隅角・閉塞隅角」かを確認します。見た目に隅角が開いていても排出機能が十分とは限らず、反対に隅角が狭いだけで直ちに緑内障と確定するわけでもありません。
種類別|緑内障が起こる主なしくみ
| 病型 | 主なしくみ | 特徴 |
|---|---|---|
| 原発開放隅角緑内障 | 隅角は開いて見えますが、房水の排出抵抗が高くなり、眼圧上昇が視神経障害に関与すると考えられる病型です。 | 慢性に進むことが多く、初期には自覚症状が乏しい |
| 正常眼圧緑内障 | 診察で測る眼圧が統計学的な正常範囲でも、その視神経にとっては負担となり、視神経障害が進む病型です。 | 眼圧の変動や眼圧以外の要素も考慮する |
| 原発閉塞隅角緑内障 | 目の形や加齢性変化などにより虹彩が隅角をふさぎ、眼圧上昇と緑内障性視神経障害が起こる病型です。 | 慢性型と、急激に眼圧が上がる急性発作がある |
| 続発緑内障 | 他の目の病気、全身疾患、薬、外傷、手術などにより眼圧が上がる病型です。 | 原因に応じて開放隅角型・閉塞隅角型の両方がある |
| 小児緑内障 | 隅角の発育異常や、先天性疾患、手術、炎症などにより小児期に眼圧が上がる病型です。 | 年齢や目の成長に応じた専門的な診断・治療が必要 |
同じ「緑内障」という診断でも、房水が流れにくい場所、隅角の形、原因となる病気、発症年齢が異なります。ご自身の病型を知ることは、薬や手術だけでなく、他科で使用する薬の注意を考えるうえでも重要です。
原発開放隅角緑内障は、なぜ起こりますか?

原発開放隅角緑内障では、隅角鏡で見ると房水の出口は開いています。しかし、主な流出路である線維柱帯からシュレム管にかけての排出抵抗が高くなり、房水が十分に排出されないことで眼圧が上がると考えられます。
「隅角が開いているのに、なぜ流れないのか」という細かな原因を、すべての患者さんで一つに特定できるわけではありません。線維柱帯の加齢性変化、細胞や細胞外組織の変化、遺伝的背景など、複数の要素が関係すると考えられています。
原発開放隅角緑内障は、他の目の病気や薬など、明確な二次的原因を認めない病型です。高い眼圧が視神経障害に関与していると考えられますが、単純に「視神経が押しつぶされる」だけで説明できる病気ではありません。
正常眼圧緑内障は、眼圧が正常なのになぜ起こりますか?
正常眼圧緑内障は、原発開放隅角緑内障の一つで、診察時の眼圧が統計学的な正常範囲にあっても、緑内障性の視神経障害が進む病型です。
- その人の視神経にとっては、測定された眼圧でも負担となっている
- 診察していない時間帯に眼圧が高くなっている
- 眼圧の日内変動・季節変動がある
- 近視や視神経乳頭の形などにより、眼圧の影響を受けやすい
- 循環など、眼圧以外の要素が関係している可能性がある
ただし、血流障害などの眼圧以外の要因を、個々の患者さんの唯一の原因として特定できるとは限りません。正常眼圧緑内障でも、眼圧を現在より下げることが進行抑制の中心になります。
眼圧が正常だったという一度の結果だけで緑内障を否定せず、眼底、OCT、視野、隅角を組み合わせて確認します。
原発閉塞隅角緑内障は、なぜ起こりますか?
原発閉塞隅角緑内障では、虹彩が隅角へ接触し、房水の出口をふさぐことで眼圧が上がります。その背景には、前房が浅い、眼軸長が短い、水晶体が厚い・前方へ位置する、虹彩の形に特徴があるなど、生まれ持った目の形と加齢性変化が関係します。
相対的瞳孔ブロック
虹彩と水晶体の間で房水が流れにくくなり、虹彩が前方へ膨らんで周辺部の隅角をふさぐしくみです。レーザー虹彩切開術や水晶体手術によって、瞳孔ブロックを解除することがあります。
プラトー虹彩や水晶体など、複数の要素
虹彩の根元が前方に位置するプラトー虹彩、水晶体の厚さや位置、毛様体・脈絡膜など、瞳孔ブロック以外の要素が重なって隅角が狭くなる場合があります。
狭隅角・原発閉塞隅角症・原発閉塞隅角緑内障は同じではありません
隅角が狭いだけの状態、隅角閉塞による眼圧上昇や癒着がある状態、さらに緑内障性視神経障害まで生じている状態は区別されます。隅角が狭いと指摘された場合は、現在どの段階かを確認することが大切です。

続発緑内障|原因となる病気・薬・外傷があります
続発緑内障は、他の目の病気、全身疾患、薬、外傷、手術などがきっかけとなって眼圧が上がる病型です。原因によって、隅角が開いたまま排出抵抗が高くなる場合と、隅角が閉じる場合があります。
ステロイド薬による眼圧上昇
ステロイド薬は、線維柱帯からの房水排出を低下させ、眼圧を上げることがあります。点眼・眼軟膏だけでなく、内服、吸入、点鼻、皮膚へ塗る薬、注射などでも、体質や使用状況によって眼圧が上がる方がいます。
必要なステロイド薬を自己判断で減量・中止しないでください。薬剤名、使用部位、開始時期、使用期間を眼科へ伝え、処方医と相談しながら眼圧を確認します。
ぶどう膜炎などの炎症
炎症細胞やタンパク質が線維柱帯へたまる、隅角に癒着が起こる、炎症治療に使用するステロイドで眼圧が上がるなど、複数のしくみで緑内障が起こることがあります。

落屑物質・色素・水晶体に関連する緑内障
偽落屑物質や虹彩の色素、炎症細胞、水晶体由来の物質などが房水の流出路へ影響し、眼圧が上がることがあります。水晶体の膨化・脱臼などによって、隅角が閉じる場合もあります。
網膜の虚血による血管新生緑内障
進行した糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症、眼虚血症候群などで網膜の血流不足が強くなると、虹彩や隅角に異常な新生血管が生じ、房水の出口をふさいで重い眼圧上昇を起こすことがあります。
糖尿病があるだけで直ちに血管新生緑内障になるわけではありません。糖尿病網膜症の進行度と網膜虚血の状態を眼底検査で確認することが重要です。


目の外傷・手術後・眼内腫瘍など
眼球打撲による隅角の損傷、目の手術後の炎症や構造変化、眼内出血、腫瘍などが原因となることがあります。外傷や手術から時間がたって眼圧が上がる場合もあるため、過去の目の病気・けが・手術歴を診察時にお伝えください。
小児緑内障は、隅角の発育異常などで起こります
小児緑内障には、隅角の形成異常によって出生直後や乳幼児期から眼圧が上がる原発先天緑内障、比較的軽い隅角形成異常のため発症が遅い若年開放隅角緑内障、先天性の目の病気、白内障手術、炎症、ステロイドなどが関係する続発小児緑内障があります。
乳幼児では、黒目が大きくなる、角膜が濁る、涙が多い、光を強く嫌がるなどが手がかりになる場合があります。年長児・若年者では自覚症状が乏しいこともあり、家族歴や高眼圧の指摘が重要です。
小児では目が成長途中にあり、成人とは診断基準や治療方法が異なります。小児緑内障が疑われる場合は、年齢と病型に応じた専門的な評価が必要です。

遺伝・家族歴は原因ですか?
緑内障には遺伝的背景が関係しますが、一般的な成人の緑内障は、一つの遺伝子だけで発症が決まる病気ではありません。年齢、眼圧、近視、視神経の形など複数の要素が重なります。
親、きょうだい、子など近い血縁者に緑内障の方がいることは、重要な危険因子です。家族に緑内障の方がいても必ず発症するわけではありませんが、自覚症状を待たず検査を受ける理由になります。
一部の先天緑内障や若年開放隅角緑内障では、遺伝子の関与がより明確なことがあります。小児・若年発症が家族内に複数いる場合などは、専門施設への相談を検討します。

近視は緑内障の原因ですか?
近視、とくに度数の強い近視は、開放隅角緑内障との関連が知られる危険因子です。ただし、近視がある方すべてに緑内障が起こるわけではなく、近視だけを唯一の原因とすることはできません。
近視眼では眼球が前後に長くなり、視神経乳頭や網膜神経線維層の形が変化します。これにより視神経が眼圧の影響を受けやすくなる可能性があるほか、近視による変化と緑内障性変化を区別しにくい場合があります。
眼鏡やコンタクトレンズを装用すること自体が、緑内障の直接原因になるわけではありません。近視が強い方は、眼底写真、OCT、視野を経時的に比較します。
糖尿病・血圧・睡眠時無呼吸などとの関係
2型糖尿病、低い眼灌流圧や低血圧、睡眠時無呼吸症候群、片頭痛などと緑内障との関連を検討した報告があります。しかし、これらの病気があるだけで、緑内障の直接原因と決まるわけではありません。
全身状態、血圧、使用中の薬は、視神経の状態や治療方針を考えるための情報になります。眼圧や血流を心配して、降圧薬、糖尿病治療、睡眠時無呼吸の治療、水分摂取を自己調整しないでください。
糖尿病については、疫学的な関連と、進行した糖尿病網膜症から起こる血管新生緑内障を分けて考える必要があります。
スマートフォン・ストレス・食べ物は緑内障の原因ですか?
スマートフォン・パソコン・読書
スマートフォンやパソコンの使用、読書、目の使いすぎだけで、緑内障になると断定できる根拠はありません。長時間の画面作業は、眼精疲労、ドライアイ、近くへピントを合わせる負担の原因にはなりますが、緑内障とは分けて考えます。
ストレス
強いストレスによって体調や睡眠が変化し、眼圧が変動する可能性はありますが、ストレスだけを緑内障の直接原因とすることはできません。ストレスを減らすだけで緑内障を予防・治療できるわけでもありません。
食べ物・飲酒・カフェイン
特定の食品を食べたことや、通常量の飲酒・カフェイン摂取だけで緑内障が起こるとはいえません。食事や生活習慣は全身の健康には重要ですが、眼科検査や必要な眼圧下降治療の代わりにはなりません。


緑内障は片目だけに起こることがありますか?
緑内障は片目だけに起こることも、両目に起こることもあります。原発開放隅角緑内障や原発閉塞隅角病は両眼に共通する目の特徴が関係することが多い一方、左右で眼圧や進行度が大きく異なることがあります。
外傷、片目だけの炎症、網膜血管の病気、手術後の変化などが原因となる続発緑内障は、片目だけに起こることがあります。片目だけ眼圧が高い場合や視神経所見に左右差が大きい場合は、二次的な原因がないか確認します。
原因・病型を調べるために行う検査
緑内障は、眼圧だけ、OCTだけ、視野検査だけで診断する病気ではありません。原因となる病気や薬の有無、隅角の状態、視神経の構造と視野の機能を組み合わせます。
| 検査・確認 | 主に分かること |
|---|---|
| 問診 | 家族歴、ステロイドを含む薬、全身疾患、外傷、炎症、手術歴を確認します。 |
| 眼圧検査 | 眼圧の高さ、左右差、時間帯や過去からの変化を確認します。 |
| 細隙灯顕微鏡検査 | 角膜、前房、虹彩、水晶体、炎症、落屑物質などを観察します。 |
| 隅角検査 | 開放隅角か、狭隅角・閉塞隅角か、癒着、外傷、色素、新生血管などを確認します。 |
| 眼底検査・眼底写真 | 視神経乳頭の形、リムの菲薄化、陥凹、乳頭出血、網膜神経線維層を確認します。 |
| OCT | 網膜神経線維層や神経節細胞層の厚さ、左右差、経時変化を画像で評価します。 |
| 視野検査 | 緑内障性の視野欠損があるか、再現性、進行速度を確認します。 |
| 角膜厚・前眼部画像など | 眼圧の解釈や、狭隅角の構造、水晶体・前房の状態を補助的に評価します。 |
すべての検査を毎回行うわけではありません。初診時の所見、病型、治療状況、検査結果の信頼性に応じて、必要な検査と再検査時期を決めます。

原因・病型によって治療方法が変わります
緑内障治療の共通する目的は眼圧を下げ、視神経障害と視野障害の進行を抑えることです。ただし、眼圧が上がるしくみによって、点眼薬、レーザー、水晶体手術、緑内障手術、原因疾患の治療などの組み合わせが異なります。
- 開放隅角緑内障:点眼薬、レーザー線維柱帯形成術、手術など
- 閉塞隅角病:レーザー虹彩切開術、水晶体手術、眼圧下降治療など
- 続発緑内障:眼圧下降に加え、炎症、網膜虚血、薬、外傷など原因への対応
- 小児緑内障:病型と年齢に応じた手術を中心とする専門的治療
治療の詳しい選び方は、疾患中核ページ、点眼薬ページ、手術ページで説明しています。


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まとめ|緑内障の原因は、病型ごとに異なります
緑内障は、視神経と視野に特徴的な変化が起こる病気です。眼圧は最も重要な要素ですが、眼圧が正常範囲でも、その視神経にとって負担となり、正常眼圧緑内障が起こることがあります。
開放隅角緑内障では房水の排出抵抗、閉塞隅角緑内障では虹彩・水晶体などによる隅角閉塞、続発緑内障では目の病気・ステロイド・外傷・手術など、小児緑内障では隅角の発育異常などが関係します。
スマートフォン、ストレス、食べ物だけを原因と決めつけることはできません。眼圧、眼底、OCT、視野、隅角と病歴を確認し、ご自身の病型と必要な治療・経過観察を理解することが大切です。
健康診断で眼圧や視神経を指摘された方、血縁者に緑内障の方がいる方、強い近視やステロイド使用歴がある方は「一般診療」でご相談ください。
眼圧だけでなく、眼底・OCT・視野・隅角などを確認し、どの病型が考えられるか、治療や経過観察が必要かをご説明します。
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緑内障の原因についてよくあるご質問
緑内障は、なぜ起こるのですか?
眼圧、房水の排出、隅角の形、視神経が眼圧の影響を受けやすいかどうかなどが関係します。病型によって起こるしくみが異なり、一つの原因だけで説明できない場合も多くあります。
眼圧が高いと、必ず緑内障になりますか?
必ずしも緑内障とは限りません。眼圧が高くても視神経や視野に緑内障性の変化がない高眼圧症があります。
眼圧、角膜厚、眼底、OCT、視野、年齢、家族歴などを組み合わせて判断します。
眼圧が正常なのに、なぜ緑内障になるのですか?
統計学的に正常な眼圧でも、その方の視神経にとっては負担となる場合があります。診察していない時間帯の眼圧上昇、眼圧変動、近視や視神経の特徴、眼圧以外の要素も考慮します。
房水とは何ですか?
房水は、目の前方を循環する透明な液体です。主に毛様体で作られ、瞳孔を通り、隅角の線維柱帯・シュレム管などから排出されます。産生と排出のバランスによって眼圧が保たれます。
原発開放隅角緑内障では、隅角が開いているのになぜ眼圧が上がりますか?
隅角は開いて見えても、線維柱帯からシュレム管にかけての房水排出抵抗が高くなり、十分に排出されないことがあります。見た目の開放と排出機能は同じ意味ではありません。
狭隅角と言われたら、すでに緑内障ですか?
隅角が狭いだけで、直ちに緑内障と確定するわけではありません。眼圧上昇、周辺虹彩前癒着、視神経・視野の障害があるかを確認し、原発閉塞隅角症疑い、原発閉塞隅角症、原発閉塞隅角緑内障を区別します。
緑内障は遺伝しますか?
家族歴は重要な危険因子ですが、一般的な成人緑内障は一つの遺伝子だけで発症が決まる病気ではありません。血縁者に緑内障の方がいる場合は、症状がなくても眼科検査をご検討ください。
近視は緑内障の原因になりますか?
近視、とくに強い近視は開放隅角緑内障との関連が知られていますが、近視だけが直接原因とはいえません。近視による視神経・網膜の変化と緑内障を区別するため、OCTや視野を継続して比較します。
スマートフォンの見過ぎで緑内障になりますか?
スマートフォンやパソコンの使用だけで緑内障になると断定できる根拠はありません。画面作業は眼精疲労やドライアイの原因になりますが、緑内障の診断には眼圧、視神経、隅角、視野の評価が必要です。
ストレスが原因で緑内障になりますか?
ストレスだけを緑内障の直接原因とすることはできません。体調や睡眠を通じて眼圧が変動する可能性はありますが、ストレスの軽減だけで緑内障を予防・治療できるわけではありません。
ステロイド薬で緑内障になることがありますか?
ステロイドによって房水の排出が低下し、眼圧が上がる方がいます。点眼、内服、吸入、塗り薬、注射などが対象になります。
必要な薬を自己判断で中止せず、使用中の薬と期間を眼科へ伝え、処方医と相談してください。
糖尿病があると、緑内障になりますか?
糖尿病があるだけで緑内障と決まるわけではありません。2型糖尿病との疫学的関連が報告される一方、進行した糖尿病網膜症では網膜虚血から血管新生緑内障が起こることがあります。
緑内障は片目だけに起こりますか?
片目だけに起こることも、両目に起こることもあります。外傷、炎症、網膜血管疾患、手術後などが原因となる続発緑内障は片目だけに起こる場合があります。
生まれつき緑内障になることがありますか?
原発先天緑内障など、隅角の発育異常により出生直後や乳幼児期から眼圧が上がる病型があります。若年開放隅角緑内障や、先天性疾患・手術などによる続発小児緑内障もあります。
緑内障の原因は、検査で必ず特定できますか?
続発緑内障では原因となる病気や薬を特定できることがありますが、原発緑内障では一つの原因に絞れないことが多くあります。検査では、病型、眼圧上昇のしくみ、視神経障害の有無を総合的に判断します。
原因が分かれば、緑内障を予防できますか?
すべての緑内障を確実に予防する方法は確立していません。ただし、狭隅角への治療、ステロイド使用中の眼圧確認、原因疾患の治療、定期検査によって、発作や進行のリスクを減らせる場合があります。
監修:大阪鶴見まつやま眼科 院長 松山真弘
最終医学的確認日:2026年8月20日

