緑内障は予防できる?早期発見と進行を抑えるためにできること

緑内障の早期発見と進行を抑えるためにできること

「緑内障は生活習慣で予防できる?」
「緑内障に良い食べ物やサプリメントはある?」
「眼圧を上げないようにすれば、発症や進行を防げる?」

現時点で、緑内障の発症を確実に防ぐ方法は確立していません。一方で、自覚症状が出る前に見つけること、診断後に眼圧を適切に下げて定期検査を続けることにより、視野障害の進行を抑えられる可能性があります。

特定の食品、サプリメント、目のマッサージ、枕の高さ、寝姿勢だけで緑内障を予防・治療することはできません。この記事では、「発症を防ぐこと」「早く見つけること」「診断後の進行を抑えること」を分けて、現在わかっていることと限界を説明します。

緑内障の早期発見・経過観察をご相談ください

40歳を過ぎて目の検査をしばらく受けていない方、血縁者に緑内障の方がいる方、強い近視がある方、健康診断で眼圧や視神経を指摘された方は、「一般診療」でご相談ください。

緑内障と診断されている方で、点眼や定期検査が途切れている場合も、現在の状態を確認しましょう。

\ 24時間かんたん予約 /

目次

結論|緑内障の「予防」には3つの意味があります

「緑内障を予防したい」という言葉には、発症そのものを防ぎたい場合と、視野障害の進行や将来の見えにくさを防ぎたい場合があります。現在の医療でできることを整理すると、次のようになります。

スクロールできます
目的現在わかっていること実際に行うこと
緑内障の発症を
完全に防ぐ
確実な方法は確立していません食品や生活習慣だけに頼らず、危険因子を把握します
症状が出る前に
見つける
眼科検査により早期発見できる可能性があります眼圧・眼底・OCT・視野・隅角などを必要に応じて確認します
診断後の進行を
抑える
眼圧下降治療と経過観察が治療の中心です点眼・レーザー・手術などを選択し、検査を継続します

日本人に多い正常眼圧緑内障は、眼圧が一般的な正常範囲でも発症します。そのため、「眼圧を上げない生活をしているから大丈夫」「健康診断の眼圧が正常だったから緑内障ではない」とは判断できません。

自覚症状がない時期の眼科検査が大切です

緑内障では、視神経の障害と視野の変化がゆっくり進むことがあります。初期には片方の目の見えにくい部分をもう片方の目が補うため、日常生活で異常に気づかないことも少なくありません。

日本の疫学調査では、40歳以上の約5%に緑内障がみられ、多くの方が調査時点まで診断されていませんでした。一度障害された視神経や失われた視野を元に戻すことは難しいため、症状を待たずに検査を受けることが重要です。

40歳を過ぎたら、一度は目の状態を確認しましょう

40歳以降は緑内障が増えるため、眼底検査を含む目の検査を受ける機会を作りましょう。会社や自治体の健康診断に眼底検査が含まれていないこともあります。視力検査だけでは緑内障の有無を判断できません。

検査の間隔は、年齢だけで一律には決まりません。初回の検査結果、家族歴、近視、眼圧、視神経の形、角膜の厚さなどを確認し、次回の検査時期を決めます。

危険因子がある方は、若い年代でもご相談ください

  • 血縁者に緑内障の方がいる
  • 健康診断で「視神経乳頭陥凹拡大」「緑内障疑い」「眼圧が高い」と指摘された
  • 強い近視がある
  • ステロイド薬を点眼・内服・吸入・注射などで使用している
  • 目の外傷、炎症、手術歴がある
  • 以前に緑内障疑いと言われたが、検査が途切れている

セルフチェックだけで緑内障を否定することはできません

片目ずつ見え方を確認することは、急な変化に気づくきっかけにはなります。しかし、初期緑内障は自覚しにくく、スマートフォンの画像やオンラインテストで異常がなかったとしても、緑内障を否定することはできません。

早期発見には、視神経と視野を眼科で評価する必要があります。

緑内障の早期発見に用いる主な検査

緑内障は一つの検査だけで診断する病気ではありません。目の状態に応じて、複数の検査を組み合わせます。

スクロールできます
検査主に確認すること
眼圧検査眼球内の圧力を測ります。正常範囲でも緑内障は起こるため、眼圧だけでは判断しません。
細隙灯顕微鏡検査角膜、前房、虹彩、水晶体など、目の前方を確認します。
眼底検査・眼底写真視神経乳頭の陥凹、乳頭出血、網膜神経線維層の変化などを確認します。
OCT網膜神経線維層や網膜神経節細胞の厚さを画像で評価します。
視野検査見える範囲の欠け方と、経時的な進行の有無を確認します。
隅角検査房水の出口である隅角が開いているか、狭いか、閉じているかを確認します。
角膜厚・屈折など眼圧の解釈や危険因子の評価に用いることがあります。

すべての検査を毎回行うわけではありません。初診時の所見や治療状況に応じて、必要な検査と間隔をご説明します。

緑内障と診断された後に、進行を抑えるためにできること

目標眼圧を決め、必要な眼圧下降治療を続ける

緑内障治療の中心は、眼圧を下げることです。ただし、目標とする眼圧は全員同じではありません。診断時の病期、治療前の眼圧、視野の進行速度、年齢、片眼か両眼か、ほかの危険因子などを考慮して決めます。

眼圧が一度下がっただけで治療が終了するわけではありません。現在の治療で視野とOCTが安定しているかを、時間をかけて確認します。

点眼薬を自己判断で中止しない

自覚症状がないことや、眼圧が下がっていることを理由に点眼を中止すると、再び眼圧が上がる可能性があります。副作用、点眼のしにくさ、費用、回数の多さなどで続けにくい場合は、自己判断で中止せずご相談ください。

薬剤の変更、配合点眼薬、レーザー治療、手術などを検討できる場合があります。

眼圧だけでなく、視野とOCTの変化を追う

緑内障の進行は、眼圧の数値だけでは判断できません。眼底、OCT、視野検査を繰り返し、視神経障害が進んでいないかを確認します。検査結果が安定していても、通院をやめず、次回受診の時期を守ることが大切です。

他科の病気・薬剤・手術歴を伝える

ステロイド薬は、使用方法や体質によって眼圧が上がることがあります。また、狭隅角・閉塞隅角の方では、他科で処方される薬の成分について確認が必要になる場合があります。

お薬手帳を持参し、点眼薬だけでなく、内服、吸入、皮膚薬、注射などもお知らせください。緑内障の病型がわかる場合は、他科や薬局にも伝えましょう。

生活習慣で緑内障を予防できますか?

生活習慣で緑内障を予防できますか?

生活習慣だけで緑内障を予防・治療することはできません。一方、全身の健康を保つ生活は、長く治療を続ける土台になります。多くの方は、緑内障と診断されても仕事、読書、家事、通常の運動などを一律にやめる必要はありません。

運動・筋力トレーニング

ウォーキングなどの適度な運動は、全身の健康維持に役立ちます。緑内障というだけで、筋力トレーニングやスポーツをすべて禁止する必要はありません。

ただし、逆立ちに近い姿勢や、息を止めて強く力む動作では、一時的に眼圧が変化することがあります。進行した緑内障、手術後、主治医から個別の指示を受けている方は、運動内容をご相談ください。

睡眠・睡眠時無呼吸症候群

十分な睡眠は全身の健康に大切ですが、睡眠時間を増やすだけで緑内障を予防できるわけではありません。大きないびき、日中の強い眠気、睡眠中の無呼吸を指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群について内科などへ相談しましょう。

喫煙・飲酒・カフェイン

禁煙や過度の飲酒を避けることは、目だけでなく全身の健康にとって重要です。ただし、禁煙や飲酒量の調整だけで緑内障を防げると断定することはできません。

カフェインは一時的に眼圧へ影響することがありますが、緑内障患者さん全員がコーヒーやお茶を禁止されるわけではありません。大量に摂取している方や、主治医から指示がある方は量をご相談ください。

スマートフォン・パソコン・ブルーライト

スマートフォンやパソコン、ブルーライトが緑内障の直接的な原因になるとは確認されていません。長時間の近見作業では、眼精疲労やドライアイを感じることがあるため、適度に休憩を取りましょう。

画面を見る時間を減らすことは、眼精疲労対策にはなりますが、緑内障の点眼や定期検査の代わりにはなりません。

枕の高さ・寝姿勢・服装

すべての方が枕を低くしたり、特定の向きで寝たり、ネクタイやタートルネックを避けたりする必要はありません。姿勢によって眼圧が一時的に変化することはありますが、日常生活の小さな変動だけで治療方針を決めることはできません。

生活上の注意は、緑内障の病型、進行度、手術歴などに応じて個別に考えます。詳しくは緑内障になったらしてはいけないこと・日常生活の注意点をご覧ください。

緑内障に良い食事・食べてはいけないものはありますか?

緑内障に良い食事・食べてはいけないものはありますか?

緑内障を確実に予防したり、進行を止めたりする特定の食品は確認されていません。また、緑内障だからという理由だけで、すべての方が避けるべき食品もありません。

野菜、魚、肉、豆類、乳製品などを偏りなく摂ることは、全身の健康維持に役立ちます。糖尿病、高血圧、脂質異常症などがある方は、それぞれの治療方針に沿った食事を続けてください。ただし、食事を整えても、緑内障の点眼や検査を中止することはできません。

ルテイン・アントシアニンなどのサプリメント

ルテイン、アントシアニン、アスタキサンチン、オメガ3脂肪酸、各種ビタミン、高カカオ食品などについて、緑内障の発症予防や進行抑制を目的とした標準治療としての効果は確立していません。

サプリメントは、失われた視野を回復させる治療でもありません。大量摂取により副作用が起きたり、内服薬と相互作用したりすることがあります。使用する場合は、点眼や定期検査の代わりにせず、持病と服用薬を医師・薬剤師へお伝えください。

市販の目薬・目のマッサージで予防できますか?

市販の目薬では緑内障を予防・治療できません

疲れ目やドライアイ向けの市販目薬は、緑内障の発症を防いだり、眼圧を治療目標まで下げたりする薬ではありません。緑内障または高眼圧症に対する眼圧下降治療が必要かどうかは、眼科で検査を行って判断します。

眼球を強く押すマッサージは避けてください

目の周囲を温めることは、ドライアイや眼精疲労の症状を和らげる目的で行うことがありますが、緑内障を予防・治療する方法ではありません。眼球を指で強く押す、圧迫する、こする行為は避けましょう。

緑内障手術や白内障手術の後など、目を温めることについて個別の指示がある方は、主治医へ確認してください。

続発緑内障と急性緑内障発作は、原因と目の構造に応じて対応します

ステロイド・目の炎症・外傷などに伴う続発緑内障

ぶどう膜炎、目の外傷、網膜の病気、偽落屑、眼科手術後、ステロイド薬などが眼圧上昇や緑内障に関係することがあります。原因となる病気や薬剤に対応しながら、眼圧と視神経を経過観察します。

原因を治療すれば必ず緑内障を完全に防げるとは限りません。治療後もしばらくして眼圧が上がることがあるため、指示された検査を続けることが大切です。

狭隅角・閉塞隅角では、発作予防の治療を検討する場合があります

急性緑内障発作は、房水の出口である隅角が急に閉じ、眼圧が大きく上昇することで起こります。発作の危険性は、食事や生活習慣ではなく、隅角や水晶体など目の構造を調べて判断します。

狭隅角・閉塞隅角がある場合は、状態に応じてレーザー虹彩切開術や水晶体手術などを検討することがあります。すべての方に同じ治療を行うわけではありません。

突然の強い目の痛み・頭痛・吐き気は緊急症状です

急なかすみ、強い充血、光の周囲に虹の輪が見える、激しい頭痛、吐き気・嘔吐などを伴う場合は、急性緑内障発作の可能性があります。予約日を待たず、早急に眼科または救急医療機関へご相談ください。

このような方は眼科へご相談ください

  • 40歳を過ぎ、眼底検査や緑内障検査を長期間受けていない
  • 健康診断で視神経乳頭陥凹拡大、高眼圧、緑内障疑いを指摘された
  • 家族に緑内障の方がいる
  • 強い近視がある
  • ステロイド薬を使用している
  • 緑内障の点眼や定期検査を自己判断で中断している
  • 以前に緑内障疑いと言われたが、再検査を受けていない

関連ページ

知りたい内容に合わせて、以下のページもご覧ください。

まとめ|大切なのは、早期発見と治療の継続です

緑内障の発症を確実に防ぐ方法は確立していません。特定の食品、サプリメント、寝姿勢、マッサージなどだけで予防・治療することもできません。

一方で、症状がない時期に眼科検査を受けること、診断後に目標眼圧を意識した治療と定期検査を続けることにより、視野障害の進行を抑えられる可能性があります。ご自身の危険因子と検査結果に合った管理を続けましょう。

緑内障の早期発見・経過観察をご相談ください

健康診断で指摘された方、危険因子がある方、緑内障の点眼や検査が途切れている方は、現在の目の状態を確認しましょう。

眼圧、眼底、OCT、視野、隅角などを必要に応じて確認し、次回検査の時期や治療方針をご説明します。

\ 24時間かんたん予約 /

緑内障の予防についてよくあるご質問

緑内障を完全に予防する方法はありますか?

現時点で、緑内障の発症を確実に防ぐ方法は確立していません。

ただし、自覚症状が出る前に眼科検査で見つけ、必要な眼圧下降治療と定期検査を続けることで、視野障害の進行を抑えられる可能性があります。

緑内障に良い食事や、食べてはいけないものはありますか?

緑内障を確実に予防・治療する特定の食品は確認されていません。また、緑内障というだけで一律に禁止される食品もありません。

全身の健康のためにバランスのよい食事を心がけますが、食事を点眼や検査の代わりにすることはできません。

ルテインやアントシアニンなどのサプリメントで緑内障を防げますか?

緑内障の発症予防や進行抑制を目的とした標準治療としての効果は確立していません。

自己判断で大量に使用せず、使用する場合は持病や服用薬との関係を医師・薬剤師へ確認してください。

運動や筋力トレーニングは緑内障に悪いですか?

多くの方では、通常の運動や筋力トレーニングを一律に禁止する必要はありません。

逆立ちに近い姿勢、強く息を止めて力む動作、進行した緑内障、手術後などでは個別の注意が必要なことがあるため、主治医へ確認してください。

スマートフォンやブルーライトで緑内障になりますか?

スマートフォン、パソコン、ブルーライトが緑内障の直接的な原因になるとは確認されていません。

長時間の近見作業は眼精疲労やドライアイの原因になることがあるため休憩は大切ですが、緑内障の点眼や検査の代わりにはなりません。

コーヒーやお酒をやめる必要がありますか?

すべての緑内障患者さんが、コーヒーやお酒を完全に禁止されるわけではありません。

大量のカフェインや過度の飲酒が気になる方、眼圧の変動について個別の指示を受けている方は、量を主治医へご相談ください。

40歳を過ぎたら、毎年緑内障検査が必要ですか?

検査間隔は、初回の所見、家族歴、近視、眼圧、視神経、角膜厚などによって異なります。

まず一度眼科で状態を確認し、結果に応じて次回の検査時期をご説明します。

目のマッサージやホットアイマスクで緑内障を予防できますか?

目のマッサージやホットアイマスクで緑内障を予防・治療できるとは確認されていません。眼球を強く押す行為は避けてください。

ホットアイマスクはドライアイや眼精疲労の症状を和らげる目的で使うことがありますが、緑内障治療の代わりにはなりません。

監修:大阪鶴見まつやま眼科 院長 松山真弘
最終医学的確認日:2026年8月19日

目次