白内障は予防できる?なりやすい人の特徴と原因、自分でできる対策を紹介

白内障になりやすい人って?原因と発症しやすい年齢・予防策も紹介

年齢を重ねるにつれて、「以前より視界がかすむ」「光がまぶしく感じる」といった変化に不安を覚えていませんか。
その症状、もしかしたら白内障かもしれません。

白内障は多くの場合、加齢が原因で誰にでも起こりうる身近な病気です。

しかし、正しい知識を持つことで、発症を遅らせるための予防に取り組んだり、早期発見・早期治療につなげたりすることが可能です。

の記事では、白内障になりやすい人の特徴から、日常生活で実践できる予防策、そして最新の治療法までを分かりやすく解説します。

目の健康を守り、安心して毎日を過ごすために、ぜひ参考にしてください。

目次

白内障とは?

白内障とは?

白内障は、目の中の水晶体が濁ることによって見え方に影響が出る病気です。

白内障の初期段階ではほとんど自覚症状は現れないため気づきにくく、視力や見え方に変化が生じた時にはすでに進行している恐れがあるため、普段から見え方に気を配ることが重要です。

主な原因は加齢ですが、若い方でも加齢以外の原因によって白内障を発症することがあります。

白内障の症状や、発症するメカニズムを知ることで、見え方の変化に気づきやすくなります。

白内障の症状

白内障の具体的な症状は以下の通りです。

  • 目がかすむ
  • 視力が低下する
  • 光をまぶしく感じる(特に夜間の対向車のライトなど)
  • 眼鏡の度が合わなくなる
  • ものが二重、三重に見える
  • 目が疲れやすい

白内障は両目または片目から発症するケースがあり、同時期に両目で発症したとしても進行具合は異なります。

片目の症状が進行していても、もう一方の目で見え方を補ってしまうため、自覚症状として気づきにくい病気です。

片目を瞑って、見え方に変化がないか定期的に確認することが大切です。

白内障を発症するメカニズム

人間の目の中には、水晶体と呼ばれるカメラのレンズに似た働きを持つ組織があります。

健康な水晶体は透明で、目の中に入ってきた光を屈折させて網膜に像を映すことで物が見えます。

しかし、水晶体内のタンパク質が酸化ストレスや紫外線、加齢などが影響し変性すると濁りが生じ、白内障を引き起こします。

白内障は、水晶体のどこから濁るかで、以下の3種類に分けられます。

  • 皮質白内障:水晶体外側の皮質部分から濁り始める
  • 核白内障:水晶体中央の核部分から濁り始める
  • 後嚢下白内障:水晶体後ろの後嚢が接する部分から濁り始める

加齢による白内障では、多くの場合外側から濁り始めます。

外側が濁っても視界の中心部分にはすぐに影響が出ないため、見えにくさを自覚するのに時間がかかる場合が多いのです。

そのため、気づかないうちに白内障が進行していることもあります。

白内障の原因

白内障の原因

白内障の主な原因は加齢によるものですが、その他にもさまざまなものがあります。

生まれたときから目の水晶体が濁っている先天性白内障と、後天的な原因で起こる後天性白内障があり、先天性白内障は遺伝的な問題や母胎内での感染が原因です。

後天性白内障になり得る原因は以下の通りです。

  • 加齢
  • 喫煙
  • 肥満
  • 紫外線
  • 赤外線
  • 糖尿病
  • ステロイド薬
  • 目の外傷(けが)
  • アトピー性皮膚炎
  • ぶどう膜炎

ここでは、それぞれの要因がどのように白内障に影響するのかを詳しく解説します。

加齢

加齢は、白内障の一般的な原因です。

年を重ねるにつれて水晶体が変性し、早ければ40代から自覚症状が認められ、80代ではほとんどの方が症状を自覚するとされています。

長期間、紫外線を浴び続けることによる水晶体内のタンパク質の変性や、加齢とともに水晶体内の成分が減少して水晶体が硬くなることで、老化現象として白内障を発症します。

喫煙

喫煙は白内障の原因のひとつであるとともに、白内障を引き起こす原因ともなり得ます。

たばこの煙に含まれる窒素酸化物が水晶体タンパク質の変性を引き起こすと考えられており、1日の本数が多く、喫煙歴が長いほどリスクが高まります。

また、喫煙は緑内障や糖尿病など白内障に繋がりやすい疾患の原因でもあるため、リスクを減らすために禁煙を心がけることが大切です。

肥満

肥満は白内障を引き起こす糖尿病のリスクを高めます

特にBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))で30kg/m2を超えると、白内障になる危険性が高くなると言われています。

また、肥満による酸化ストレスが水晶体のタンパク質の変性を早めてしまう原因にもなるため、適度な運動と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

紫外線

長時間強い紫外線を浴び続けることで白内障を引き起こす可能性があります。

目の中の水晶体が紫外線を浴びることにより活性酸素が発生し、水晶体内のタンパク質が酸化して白内障を発症する場合があります。

特に、常に屋外で作業をする仕事の方などは注意が必要です。

赤外線

赤外線を浴びることでも白内障が発症しやすいとされています。

近赤外線は水晶体を濁らせるおそれがあるとされ、ガラス工芸などの職業で白内障患者が増える傾向にあります。

一般的に白内障となるほどの赤外線を浴びることは少ないと考えられますが、赤外線を浴びる職業の方は定期的に見え方のチェックをすると早期発見に繋がるでしょう。

糖尿病

糖尿病の方は、健康な方よりも白内障のリスクが高いです。

生活習慣病である糖尿病は、高血糖状態が続くと水晶体の中に糖を蓄積させるため、白内障を引き起こします。

また、糖の代謝異常により細胞膜が破壊されることや、酸化や糖化を早めるなどの原因も考えられ、糖尿病と白内障は密接な関係にあります。

糖尿病による白内障は、加齢性白内障に比べて若い世代が発症しやすく、進行も早いことが特徴です。

ステロイド薬

ステロイド薬を長期間使用していると白内障のリスクが高まります。

ステロイド薬の種類には、内服薬、吸入薬、目薬、塗り薬などがありますが、白内障の原因となるのは内服薬と吸入薬だとされています。

長期的にステロイド薬を内服・吸入する場合には、白内障の症状に注意が必要で、定期的な眼科検診も行うことが大切です。

目の外傷(けが)

スポーツや仕事などで目に怪我を負ったり、合わないコンタクトの乱用による傷、アレルギーで目が痒くなり擦ることでできた傷で水晶体が白濁し、白内障となる場合があります。

また、何らかの破片が目に入り、角膜を貫通して水晶体を損傷した場合も、白内障を発症するケースがあります。

目をぶつけた、目に破片が入った場合は、目立った症状が現れてなくても眼科をすぐ受診することをおすすめします。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の合併症として、アトピー性白内障があります。

アトピー性皮膚炎を患っていると水晶体周辺の皮質が溶けやすく進行が早いのが特徴で、アトピー性白内障を発症すると、数か月でほとんど見えない状態まで進行することも珍しくありません。

顔周辺に皮膚炎が見られる場合には、目の周りを強くこすりやすく、刺激により水晶体が白濁しやすくなります。

ぶどう膜炎

ブドウ膜炎とは、眼球の内側を覆っているブドウ膜に炎症が起こった状態のことで、白内障を引き起こす病気です。

ブドウ膜炎は、免疫異常や細菌などの感染が原因で、目が赤い、目が痛い、まぶしい、視力が落ちた、霧がかったように見える、ゆがんで見えるといった症状が現れます。

治療にステロイド剤を長期服用することや、繰り返す炎症などにより白内障を引き起こす場合があるため、定期的な白内障症状のチェックが必要です。

老人性白内障と若年性白内障について

白内障と年齢について

白内障は、発症する年齢によって大きく「老人性白内障(加齢性白内障)」「若年性白内障」に分けられます。

老人性白内障(加齢性白内障)

白内障の最も一般的なタイプで、原因の約90%を占めます。早い方では40代から始まり、80代になるとほぼすべての人が何らかの症状を示すとされています。加齢に伴い水晶体のたんぱく質が変性することで、ゆっくりと進行するのが特徴です。

若年性白内障

アトピー性皮膚炎、糖尿病、ステロイド薬の長期使用、目の外傷などが原因で、40代以前の若い世代でも発症します。老人性白内障に比べて進行が早いケースも多く、注意が必要です。

40代以前で白内障を発症する原因は以下の通りです。

  • 遺伝・染色体異常・母胎内の感染
  • アトピー性皮膚炎
  • 糖尿病
  • 目に外傷を受けた
  • ステロイド剤の長期使用
  • 紫外線を長時間浴びる生活

白内障は放置すると、緑内障などの失明に繋がる病気を引き起こす可能性もあります。

年齢に関係なく発症するケースがあるため、見え方に違和感を感じた場合にはすぐに眼科を受診するようにしましょう。

白内障の予防策

白内障の予防策

白内障は、生活習慣を見直すことでリスクを軽減できます。

加齢による白内障の予防は難しいですが、発症時期を遅らせることにつながるため、ぜひ参考にしてください。

紫外線や赤外線から目を守る

紫外線や赤外線は水晶体を濁らせる可能性があるため、サングラスや保護メガネなどの使用が推奨されます。

サングラスは、紫外線をしっかりカットするものを選びましょう。

色が濃いレンズは、瞳孔が開き紫外線を多く取り込んでしまう可能性があるため、色の濃すぎないレンズや紫外線に反応して色が濃くなる調光レンズなどがおすすめです。

また、サングラスだけではなく、帽子や日傘も合わせることで効果が上がるでしょう。

ライフスタイルに合わせ、紫外線や赤外線を対策することが重要です。

生活習慣の改善

睡眠不足・暴飲暴食・過度な喫煙などの乱れた生活習慣は、糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクを高めます。

糖尿病の合併症として白内障を発症する可能性があるため、生活習慣の改善を行い、健康的な生活を送ることが目の健康にも繋がります

適度な運動を心がけ、睡眠時間をしっかりとりましょう。

運動が苦手な人は散歩やストレッチを習慣にすることをおすすめします。

栄養バランスの取れた食事を摂る

水晶体の酸化を防ぐためには、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取することが効果的です。

特に、ビタミンCビタミンEルテインなどを豊富に含む緑黄色野菜や果物を日々の食事に取り入れましょう。

また、運動が苦手な人は散歩やストレッチなどの軽い運動を習慣にすることも、健康維持につながります。

外傷から目を守る

目に外傷を負うことで白内障になるケースもあります。

スポーツや仕事の際だけでなく、日常生活においても目を守るためのサングラスや保護メガネの着用が推奨されます。

もし白内障と診断されたら?手術と眼内レンズについて

残念ながら、一度進行した白内障を点眼薬などで元に戻すことはできません。そのため、日常生活に支障が出てきた場合の根本的な治療は手術となります。

白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、代わりとなる人工の「眼内レンズ」を挿入するものです。
この眼内レンズには、主に「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。

単焦点眼内レンズ(保険適用)

遠く・中間・近くのいずれか1つの距離にピントを合わせたレンズです。
例えば、遠くにピントを合わせると遠くの景色はよく見えますが、近くのスマートフォンや本を読む際には老眼鏡が必要になります。

多焦点眼内レンズ(選定療養・自由診療)

遠くと近く、製品によっては中間距離にもピントが合うように設計されたレンズです。
メガネを使う頻度を減らし、裸眼で生活しやすくなるメリットがあります。
一方で、夜間に光がにじんで見える「ハロー・グレア」を感じることがあったり、保険適用外のため費用が高額になったりする側面もあります。

どちらのレンズが適しているかは、ご自身のライフスタイルや見え方に関する希望によって異なります。
治療を受ける際は、医師とよく相談することが大切です。

まとめ

白内障は、加齢が主な原因で多くの人が直面する可能性のある病気です。

若い方でも、加齢以外の要因で白内障になるケースがあり、予防と早期発見・早期治療が大切です。

自覚症状が現れにくい病気のため、定期的な眼科検診を心がけましょう。

大阪市鶴見区の『大阪鶴見まつやま眼科』では、白内障の治療・日帰り手術を行っています。

白内障は早期発見により進行を遅らせることができるため、見え方に違和感を覚えたら早めに受診してください。

白内障について気がかりなことがありましたら『大阪鶴見まつやま眼科』にご相談ください。

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