
光治療やIPLという名前は知っているけれど、具体的にどういった効果があるのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
光治療(IPL)は幅広い肌のお悩みに対してアプローチできる美容施術です。
この記事では、光治療がどのような肌の悩みに効果的なのか、注意点や施術の流れなども含めて解説します。
自分の肌の悩みにIPL光治療は合うのかと悩んでいる方、IPL光治療を検討している方はぜひご覧ください。
IPL光治療とは?
IPL光治療とは、IPL(Intense Pulsed Light)というさまざまな波長を持った複数の特殊な光を当てることで幅広い肌の悩みに対応できる施術方法です。
フォトフェイシャルという言葉も同義で使われることがありますが、フォトフェイシャルはルミナス社の商標登録で、ルミナス社の機械を使用したIPL施術に用いられる呼び名です。
ここでは、IPL光治療の特徴と、レーザー治療との違いについて紹介します。
IPL光治療の特徴
IPL光治療は、複数の異なる波長の光を照射する美容施術で、同時に多くの肌の悩みを治療できることが特徴です。
IPLの光を照射することで起こる作用は以下のとおりです。
- 光がメラニン色素に吸収され、熱によって表皮に浮かびあがり、ターンオーバーによって老廃物として排出される
- 光がヘモグロビンに吸収され、熱によって毛細血管を凝固させる
- 光が肌の表皮層を刺激し、コラーゲンの生成を促す
メラニン色素への作用により、しみ、そばかす、くすみなどへの効果が期待できます。
ヘモグロビンへの作用は、ニキビ、ニキビ跡、赤ら顔の改善に効果的です。
また、コラーゲンの生成を促すこともできるため、しわ、たるみ、毛穴の開きにお悩みの方にもおすすめです。
レーザー治療との違い
レーザー治療は美容施術の中でもIPL光治療と比較検討されやすい施術ですが、仕組みや効果、適用される症状に違いがあります。
IPL光治療とレーザー治療を比較した以下の表をご覧ください。
IPL光治療 | レーザー治療 | |
---|---|---|
波長 | 520~1100nm | 532nm・755nm・1064nm |
パルス幅(照射時間) | 長い | 短い |
適用症状 | 薄いしみ・こじわ・くすみ・赤みなど | 濃いしみ・ほくろ・あざなど |
施術回数 | 4~5回程度 | 1~数回 |
ダウンタイム | ほぼなし | 1~2週間程度 |
IPL光治療が幅広い波長の光を照射し肌全体のさまざまな症状に効果を発揮するのに比べ、レーザー治療は症状に応じて光を使い分け、局所的に施術を行います。
レーザー治療はピンポイントに一点のしみやあざなどの治療に向いていますが、IPL光治療は全体を面で照射するため、面積もターゲットも幅広く治療を行うことができるのです。
広く治療できるがゆえに、ピンポイントで治療するレーザー治療に比べて1回あたりの効果はマイルドになる傾向があります。
しかし、しみが多くある箇所などの広範囲にわたる肌の悩みなどにはレーザー治療を何回も行うよりもダウンタイムや肌へのダメージも少ないため、IPL光治療が向いています。
IPL光治療に期待できる効果
IPL光治療は、下記のようなさまざまな悩みに同時に効果が期待できます。
- しみ、そばかすの改善
- ニキビ、ニキビ跡の改善
- しわ・たるみの改善
- 赤ら顔の改善
- 毛穴を整える
- ドライアイの改善
それぞれの効果について、詳しく見ていきましょう。
シミ・そばかすの改善
IPL光治療は、広範囲にわたるしみやそばかすの改善に効果が期待できます。
その理由は、IPLを照射することによりメラニン色素の分解・排出を促せるためです。
分解されたメラニンは、表皮に浮かび上がり、しみがあったところにマイクロクラストというかさぶたのようなものができ、1~2週間程度で自然に剥がれ落ちます。
マイクロクラストを無理やりはがしてしまうと、赤みやさらなるしみの原因になってしまうため、自然に剥がれるのを待ちましょう。
ニキビ・ニキビ跡の改善
ニキビやニキビ跡の改善にもIPL光治療は効果を発揮します。
ニキビの原因のひとつはアクネ菌の繁殖です。IPL光治療では、アクネ菌をIPLにより殺菌できます。
また、ニキビは炎症を起こした状態で、その修復のために毛細血管が集まり拡張することがニキビ跡の赤みの原因となります。
IPLを照射することで、毛細血管中のヘモグロビンが反応し、毛細血管を収縮することで赤みの原因である炎症を抑えます。
色素沈着したニキビ跡にもIPLがメラニンにも作用するため、改善する可能性があります。
しわ・たるみの改善
しわやたるみの改善も、IPL光治療の代表的な効果のひとつです。
皮膚の真皮層には、線維芽細胞という細胞が存在しています。
線維芽細胞は、肌のハリや弾力を保つためのコラーゲンやエラスチン、潤いを保つためのヒアルロン酸を生成するとともに、古くなったこれらの成分を分解し、肌の新陳代謝を促します。
IPL光治療では、熱作用により線維芽細胞を刺激してコラーゲンなどの生成を促すことで、しわやたるみの改善が期待できるのです。
赤ら顔の改善
赤ら顔の原因は、生活習慣や寒暖差、ストレスなどによる毛細血管の拡張です。
IPL光治療は、ヘモグロビンに働きかけることにより、過剰になった毛細血管を収縮させるため赤ら顔の改善が期待できます。
毛穴を整える
IPL光治療は、線維芽細胞を刺激し肌のコラーゲンなどの産生効果を促すことで、毛穴の開きの治療にも効果があります。
皮脂の過剰分泌を抑える効果があるため、毛穴が皮脂で押し広げられるのを防止できます。
施術後もコラーゲンの生成により毛穴が引き締まり、きめ細かな肌に改善していくでしょう。
ドライアイの改善
IPLは肌だけでなく、ドライアイの改善にも効果的です。
IPLでは光を照射し、ドライアイの原因の一つであるマイボーム腺の詰まりを解消することで、症状を改善に導きます。
ルミナス社製のIPL治療機器「M22」は、マイボーム腺機能不全で起こるドライアイの治療器として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。
IPL光治療の注意点
ここでは、IPL光治療を受ける前に知っておくとよい注意点について紹介します。
施術中に痛みを感じることがある
IPL光治療はレーザー治療などに比べて痛みを感じることは少ないと言われています。
しかし、人によってはゴムではじかれたようなパチパチという痛みを感じることもあります。
照射の際の痛みは、施術回数を重ねると緩和されていきますが、最初の施術で痛みが強く感じられる場合には、施術する医師に相談してください。
やけど・水ぶくれのリスクがある
IPL光治療は、光の照射によって熱を与える治療法です。
適切な施術を行ったとしても、熱の刺激によってほてり・赤みが出る可能性があります。
ほてりや赤みは1日程度で落ち着くケースがほとんどですが、長引いたり、症状が悪化したりする場合には施術を受けた病院やクリニックで相談をしましょう。
また、出力レベルが高すぎる、設定を間違えたなどの原因でやけどや水ぶくれになる危険性があります。
やけどや水ぶくれのリスクを避けるためにも、施術実績が豊富な病院やクリニックを選びましょう。
IPL光治療を受けられない人も
以下の症状がある方は、IPL光治療を受けることができません。
- 妊娠中・授乳中
- 極度の日焼けをしている
- 糖尿病やアルコール中毒
- てんかん発作の既往歴がある
妊娠中や授乳中の方は、出産して授乳期間が終わった後でなら施術を受けることが可能です。
自分の状態がIPL光治療を受けられるかわからない場合には、病院やクリニックにまず相談しましょう。
日焼け後の肌には施術できない
激しく日焼けをした後の肌にIPL光治療の施術を行うことはリスクがあるため、日焼けが落ち着いてから施術を受けるようにしましょう。
日焼けをした肌はメラニンが活性化しており、IPLの光でやけどや色素沈着を起こす場合があります。
また、照射の際の痛みも、日焼けをしていない状態より強く感じてしまう可能性があります。
日焼けをしてしまったら、2週間程度の時間をおいて施術を受けてください。
IPL光治療の施術の流れと所要時間
「治療を受けるにあたってどんな準備をすればいいの? 何が必要?」と不安に思う方もいるかもしれません。
施術の流れがわかっていれば安心してIPL光治療を受けることができます。
施術の前には悩んでいる部位などを医師と相談し、診察を受け、症状に適した方法を判断してから施術に移ります。
IPL光治療の施術の流れは以下のとおりです。
- 洗顔でメイクを完全に落とす
- 肌を保護する冷却ジェルを塗布
- 光を照射する
- ジェルを拭き取り、日焼け止めを塗って終了
目的により前後しますが、施術時間は20~30分程度で、施術直後でもメイクをして帰ることができます。
IPL光治療のよくある疑問
IPL光治療を検討している方が気になっている疑問をまとめています。
施術を受ける前に心配なことがある方は、ぜひ参考にしてください。
Q:ダウンタイム・副作用はある?
IPL光治療の痛みやダウンタイムはほとんどないと言われています。
施術直後に赤みやほてりが出る場合がありますが、数時間でおさまるケースがほとんどです。
ただし、肌の黒い方や産毛が多い方は光がメラニンに強く反応するケースがあり、痛みを感じる可能性があるため注意が必要です。
Q:効果が実感できるのは何回目から?
IPL光治療は、1回の施術で効果を実感できる方もいますが、複数回治療することでさらにしっかり肌の悩みにアプローチできます。
個人差がありますが、2~4回の施術でしみが薄くなる、全体のしみの数が減る、くすみがとれる、ハリを感じる、小じわや毛穴の引き締まりなどの効果を実感される方が多いようです。
5回以上施術を受けると、ほとんどのしみが目立たなくなる、赤ら顔の改善、にきびができにくくなるなどの効果を実感される方もいます。
Q:IPLは効果がないと聞いたけど本当?
IPL光治療に効果がないと言われる原因は、肌への負担が少ない治療法のため、1回の施術では劇的な効果が見えにくいからだと考えられます。
IPL光治療は複数回の施術が必要となることが一般的であるため、気になる肌悩みがある場合は、大体何回くらい受ければいいかを事前に医師に相談しておくといいでしょう。
また、IPL光治療を行うと、隠れていたしみが表面に出てくることでしみが悪化したと感じることもあります。
肝斑にIPL治療を行うと悪化してしまう場合があることも、効果がないと思われる原因でしょう。
肝斑は、ホルモンやストレスとの関連性があるとされていて、光の照射で悪化することがあるためです。
肝斑がある場合は、医師に相談のうえ、治療方法を検討することをおすすめします。
Q:脱毛効果はあるの?
IPL光治療には脱毛効果もあります。
照射によって光エネルギーが毛根に吸収され、熱により毛根を破壊するためです。
レーザー治療に比べるとマイルドではありますが、一定の効果が期待されます。
肌悩みを改善することをメインに、ムダ毛を減らす効果も期待できることがIPL光治療の特徴です。
Q:費用相場は?
IPL光治療の費用相場は、顔全体の施術で1回あたり15,000〜30,000円程度です。
回数を重ねることで効果を感じられる施術のため、1回あたりの費用がお得になるコースプランを用意している病院やクリニックもあります。
コースの契約期限などを調べて自分が通えるようなら、そちらのほうがお得だといえますが、まずは病院が自分に合っているか、信頼できるところかを見極めることが大切です。
施術する人が医師か看護師かによっても料金が異なる場合もありますので、事前にしっかりと調べることが大切です。
まとめ
IPL光治療とは、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光を当てることで幅広い悩みに対応できる施術方法です。
ダウンタイムや痛みがほぼなく、肌の負担が少ないことが特徴で、複数回施術を繰り返すことで肌の悩みや脱毛効果、ドライアイの改善効果が期待できます。
『大阪鶴見まつやま眼科』では、ルミナス社のフォトフェイシャルM22を使用し、IPL光治療を行っています。
短時間の施術で、ダウンタイムも少ないことから、忙しい日々を送る方にも施術を受けていただけます。
顔全体にわたる肌のお悩みやしみ、しわ、ドライアイなどが気になりIPL光治療に興味がある方は、ぜひ『大阪鶴見まつやま眼科』にご相談ください。